13/10/23 02:28:47.80
インターネットやモバイルといったオンラインの世界には、
大企業の行動をチクリと批判するような視点の書き込みがあふれている。
ところが最近、例外的に賞賛されている韓国の大企業がある。サムスン電子だ。
朝鮮日報電子版「チョソン・ドットコム」(chosun.com)をちょっと見ても、
「政府も公企業もサムスン電子の半分くらいはまねしてみろ!!」
「このような企業が韓国企業であることが誇らしい。『いとこが土地を買えばねたましい』(他人の成功を喜ばない)
という『後進国病』から脱出しよう」など、肯定的に評価する書き込みが多い。
サムスン電子は今年第3四半期だけで10兆1000億ウォン(約9320億円)の営業利益を出した。
これは四半期ベースで過去最高の実績であり、韓国企業としては前人未到の記録だ。
この勢いが続けば、サムスン電子は今年の営業利益40兆ウォン(約3兆7000億円)突破が確実視される。
昨年、営業利益40兆ウォンを超えた企業は米国とロシアのエネルギー関連企業、中国国営銀行、
米アップル社の4社だったので、名実共に「世界5大企業」の仲間入りを果たすことになる。
携帯電話の営業利益率世界1位、世界1位品目20アイテム以上という金字塔を打ち建てた
サムスン電子のブランド価値は世界第9位で、米国以外の企業としては最高であり、
日本のトヨタ自動車(10位)よりも高く評価されている。
そのため、10-20年前はサムスンが必死にベンチマーキングしていた数多くのグローバル企業が、
今では逆にサムスン電子に学んでいる。年間売上高200兆ウォン(約18兆5000億円)を超える巨大企業となった
サムスン電子の発展の歴史は、世界的な名門経営大学院などで欠かせないケーススタディーのテーマになった。
もちろん、グーグル社やマイクロソフト社のようなライバルとなるIT企業に比べてソフトウエア部門が弱く、
中国企業の猛追も絶対に油断はできないが、サムスン電子の成功が誇るべき成果であることは間違いない。
だが残念なことに、サムスン電子を除けば、韓国経済や韓国企業は成長どころかしなびてきており、]
企業環境もますます悪化している。1980年代以降に創業した熊津(ウンジン)・パンテック・STXグループが事実上破たんし、
挑戦的な起業家精神はほぼ全滅の危機にひんしている。地方の中小都市からソウルまで全国の若者数十万人が
「サムスン考試」「現代自動車考試」といった大企業の入社試験や公務員採用試験に賭けて必死に勉強しているだけで、
すっかり冷え切ってしまった起業への熱意はその燃えかすさえ見当たらない。
その上、政府や政界はもちろん、司法当局までもが「経済民主化」の名の下に
企業と企業家を「準犯罪者」「見せしめ」扱いし、取り締まりや厳重注意ばかりする息詰まるようなムードも、
起業意欲に水を差している。
政界が今年の通常国会に証人として採択した民間企業の最高経営責任者(CEO)やオーナーは200人近い。
米マサチューセッツ工科大学のダロン・アシモグル教授は
「韓国が成長するには、サムスン電子のような企業があと10社は必要だ」と言った。「ITのサムスン電子」で満足するのではなく、
「金融のサムスン電子」「グリーン・ビジネスのサムスン電子」「文化産業・医療のサムスン電子」
と言えるようなグローバルな大企業が次々と登場しなくてはならないということだ。
しかし、今のような企業風土や経済の生態系では、韓国経済をさらに拡大させる
「第2、第3のサムスン電子誕生」といったうたい文句は小説の中くらいでしか考えられない夢物語だ。
むしろ、多数の国民の希望とは反対に、サムスン電子という一企業にさらに依存し、
「サムスン共和国」という看板を子孫に受け継がせることになりそうだ。
宋義達(ソン・ウィダル)デジタルニュース部長
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