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日本と中国、韓国の首脳会談がなかなか実現しない。とくに日韓はともに民主主義国家で、相互理解
の余地は十分にあるはずだ。いくら歴史問題をめぐる溝が深いとはいえ、冷たい関係を放置したままで
いいのだろうか。
日本政府はこれまで、相互訪問よりハードルの低い国際会議の場を利用して、安倍晋三首相と朴槿恵
(パク・クネ)大統領による初めての会談を模索してきた。
だが、先月のロシアでの20カ国・地域(G20)首脳会議に続き、今回のインドネシア、ブルネイでのアジア
太平洋経済協力会議(APEC)、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会議でも首脳会談は開けなか
った。
日韓首脳がともに出席する国際会議は当面、予定されていない。このままでは、両国で新政権が発足
して1年たっても首脳会談が開けない異常な事態も予想される。
安倍首相はブルネイでの記者会見で「韓国は基本的価値を共有する重要な隣国」とし、「問題がある
からこそ首脳レベルを含めて話し合うべきだ」と語った。
会談に否定的なのは韓国側だ。朴大統領は先月末、米国のヘーゲル国防長官に「歴史に逆行した
発言をする日本の指導部のせいで、信頼を築けない」と明かした。
「侵略という定義は定まっていない」とした今春の安倍首相の発言や従軍慰安婦問題への対応、閣僚
による靖国神社への参拝などを問題視しているのだろう。
外交は信頼が重要とする朴大統領の立場も分からなくはないが、首脳間で腹を割って話し合わなけ
れば、信頼はもとより築けない。歴史問題を含めて両首脳が本音をぶつけ合い、そこから打開策を
模索することも必要ではないか。
両首脳が会わない状況が続いたままでは、互いの国民感情にも負の影響を与えかねない。
日韓には歴史問題にとどまらず懸案が山積している。中国の軍事力強化や北朝鮮の核問題は日韓
に共通する安全保障上の懸念だ。
経済的なつながりは深いのに、日韓の自由貿易協定(FTA)交渉は長らく中断している。韓国は
環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を検討しているというが、こうした分野で日韓が協力する道
もあるだろう。
日韓は2015年に国交正常化50年の節目を迎える。関係を再構築すべく、両首脳は未来への関係
づくりにも視線を向けてほしい。
ソース:日本経済新聞
URLリンク(www.nikkei.com)
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