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フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団が24・25日に来韓公演を行う。指揮者チョン・ミョンフン=写真=が
同管弦楽団の音楽監督として故国のステージに立つのは最後になりそうだ。
2000年に就任したチョン・ミョンフンの契約は2015年までで、次期音楽監督にはフィンランド出身の指揮者ミッコ・フランク(34)が指名されているためだ。
今回の来韓公演ではベルリオーズ、ラベル、ビゼー、サンサーンスらフランス人作曲家による作品が演奏されるが、
チョン・ミョンフンはフランス人指揮者よりもフランスの作品の解釈が優れていると高く評価されているだけに、
その神髄に触れられるレパートリーに期待が寄せられている。
ところが、大きな問題が発覚した。25日に演奏するサンサーンス交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」だ。
第1部と第2部からなるこの交響曲のクライマックスは、各部の後半に登場するパイプオルガンの華麗な演奏だ。
だが、同管弦楽団が演奏するソウルの「芸術の殿堂」コンサートホールにはパイプオルガンがない。このため、
韓国の観客はサンサーンスの交響曲「オルガン付き」をパイプオルガンではなく電子オルガンで観賞しなければならないのだ。
同管弦楽団が韓国の次にこの交響曲を演奏する日本のコンサート会場にはパイプオルガンが設置されている。
30日に演奏が予定されている東京・赤坂のサントリーホールがその代表だ。
チョン・ミョンフンはパリ・バスティーユ管弦楽団やドイツ・グラモフォンで同交響曲をレコーディングしたアルバムを出しているほど、
この作品は代表的なレパートリーの一つだ。それにもかかわらず、パイプオルガンがないのにこの交響曲をあえてプログラムに入れたのはなぜだろうか。
公演企画会社ビンチェロは「チョン・ミョンフンとフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団の最後の来韓公演で、
チョン・ミョンフンの代表的なレパートリーである『交響曲第3番オルガン付き』を韓国の観客に聴かせたかった」と話す。
しかし、オルガン演奏者の考えは違う。電子オルガンは電子製品にすぎず、パイプオルガンの自然な音とは比べものにならないという。
「電子オルガンで演奏する『オルガン付き交響曲』は偽物」と言うほどだ。
ソウル「芸術の殿堂」コンサートホールは1988年のソウル・オリンピックに合わせてオープンさせようと急いだため、
パイプオルガンが設置できなかった。2002年にはパイプオルガン設置のための予算を組んだが、
翌年に「音楽の流れる噴水」を作るのに使ってしまった。全国各地に次々と建った「芸術の殿堂」もパイプオルガンは設置されていない。
そのため、韓国にはパイプオルガンを備えたオーケストラ用コンサートホールが1カ所もない。
世宗文化会館には1978年にパイプオルガンが設置されたが、クラシック専用のホールでない上、オルガンの状態も良くなく、
演奏者は芳しく思っていない。日本では東京都内のサントリーホール、東京オペラシティはもちろん、
放送用多目的ホールのNHKホールにもパイプオルガンがある。パイプオルガンを使う曲はバッハやヘンデルだけでなく、
メンデルスゾーンからプーランクに至るまで、今も作曲されているほど西洋音楽の中核になっている。
世界経済10位圏内という韓国だが、パイプオルガンを備えたクラシック専用コンサートホールが一つもないというのは寂しすぎる。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金基哲(キム・ギチョル)記者
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