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ソウル五輪(1988年)の際、女子ハンドボールのハンガリー代表チームを取材したときのことを思い出すと、
今でも心苦しく思う。日曜日、選手たちが漢江に遊びに行くのに同行した。遊覧船から見渡す漢江は
美しかった。川べりには高層マンションが林立していた。ところが、選手たちは何も言わなかった。「ソウルの
印象はどうか」と数回尋ねたところ、ようやく仕方なさそうに「ワンダフル!」「ビューティフル!」と口にした。
数年後、ハンガリーの首都ブダペストを訪れたとき、ドナウ川を眺めた。漢江の景色も美しいが、古風な
趣とマッチしたドナウ川も引けを取らないほど美しかった。
韓国人たちが「葉銭は駄目だ」と口にしながら暮らしていた時代があった。暮らし向きがよくなく、民主主義も
ない時代のことだ。「葉銭」とは、朝鮮王朝末期の1905年に行われた貨幣改革で、価値を失ったそれまでの
貨幣を指す。この葉銭は全く役に立たなくなった。韓半島のものは全てがみすぼらしく、劣っているように見えた。
そのことから、韓民族〈朝鮮民族〉を自虐的に表現した言葉として「葉銭」が使われるようになった。このような
自国を低く見る意識や劣等感を捨て、自信を持つようになったのが、まさにソウル五輪のころだった。
今はむしろ、過剰な自己陶酔が問題になっている。最近、来韓した海外の歌手や俳優が、記者会見の際
などに、韓国の歌手PSY(サイ)の「乗馬ダンス」を披露するのが「通過儀礼」となった。そうしてこそ韓国人たちが
喜ぶだろうということは、彼らも知っているのだろう。新聞やテレビでは「韓国の○○にすっかりハマった外国人」
というニュースが飛び交っている。「韓屋(韓国伝統の家屋)にすっかりハマった」「韓国の自然(オルレ=済州道の
トレッキングコース)にすっかりハマった」「茶山(朝鮮王朝時代の実学者チョン・ヤギョン)や退渓(朝鮮王朝時代の
儒学者・李滉〈イ・ファン〉)にすっかりハマった」…。中にはチャンアチ(韓国の漬物)にハマったという外国人もいる。
バービー人形(米国の着せ替え人形)に似た外見から「リアル・バービー人形」といわれる米国の少女ダコタ・
ローズさんが、昨年韓国を訪れた。韓国の化粧品メーカーの販促活動のためだった。あるファンがローズさんの
ツイッター(簡易投稿サイト)に「キムチは好きか」というメッセージを書き込んだところ、ローズさんは「嫌い」と答えた。
これを見たインターネットユーザーたちは「生意気だ」という反応を示した。あるネットメディアは「外見はかわいいが、
人間性はどうだか」という記事を掲載した。
インターネットで「クッポン」をめぐる論議が広まっている。クッポンとは「国家(韓国語でクッカ)」と「ヒロポン
(覚せい剤)」を合成した造語で、国家や民族について過度に自慢する人たちをあざ笑うことを指す。一方、
これに反発し、悪意に満ちた表現で韓国をけなすことを指す造語も登場している。本当に自信のある人は、
自分自身や自国の事物に対し「最高」「最大」「最初」などとは言わない。自らを客観的に見ることを知らない人は
反省もできない。自国の事物を「よいもの」と認識するのなら、他者の事物の美しさや、それに込められた知恵に
ついても知ろうとするバランス感覚も必要だ。そうしてこそ、他者の事物からも学ぶこともできる。
金泰翼(キム・テイク)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2013/09/01 08:29
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