13/08/25 15:52:00.18
障害者用エレベーターに乗れない障害者たち
「『車いすです』と言ってもスマホを見て知らんぷりしたり、イライラした様子を見せたりする人がほとんど
ですね」
電動車いすに乗っている身体障害1級のチャン・ヒヨンさん(41、女性)と、チャンさんのホームヘルパーを
しているホ・ミヨンさん(36、女性)は21日午後、ソウル地下鉄4号線の東大門歴史文化公園駅で、
閉まってしまったエレベーターのドアをじっと見たままため息をついた。ホさんは4年間、チャンさんと一緒に
町に出たり日常生活をサポートしたりしている。二人は「地下鉄を利用する時『高齢者・障害者優先
エレベーター』に乗るのが最も難しい」と言った。ホさんは「私たちが一番前で待っていても、ドアが開くと
若い人たちがドッと乗り込むため、次のエレベーターを待つことがよくある。14日も30代の女性二人が
素早く車いすを追い越してエレベーターに駆け込んだため、しばらく待たされた」と言った。
地下鉄の駅に主に設置されている高齢者・障害者優先エレベーターを健康面に問題のない若者たちが
利用しているせいで、本来エレベーターを利用すべき高齢者・障害者が大変な不便を強いられている。
本紙が14日から21日までの8日間、ソウル市内の地下鉄駅に設置されている公共エレベーターの
利用実態を無作為に調査した結果、全利用者の37-51%が高齢者・障害者・妊婦ではなかった。
16日午後、地下鉄4号線恵化駅で30分間にわたり公共エレベーターの利用実態を観察したところ、
全利用者37人のうち「交通弱者」とは見なしがたい利用者は18人(48.6%)だった。18日午後の
地下鉄1号線ソウル駅では33人中15人(45.5%)、19日午後の地下鉄2号線江南駅では45人中
17人(37.8%)がエレベーターを使用しなくていいと思われる人だった。同日午後の地下鉄2号線弘大
入口駅では全利用者33人のうち半分以上の17人(51.5%)がエレベーターに乗らなくてもいいほど
健康に見えた。
18日午後、ソウル駅で地下鉄を降り地上に上がろうとしていたオム・ギジュさん(69)は、地下鉄のドアが
開いてすぐにエレベーターに駆け込む若者たちに押しのけられ、ずっとエレベーターを待っていた。エレベーターは
オムさんの前に立っていた約15人を2回にわたり乗せて運んだ。関節炎を患っているオムさんは待ち始めてから
3回目のエレベーターに乗ったが、それまで8分間ホームで待っていた。
健康状態に問題がない人はエレベーターのすぐ隣にあるエスカレーターや階段を利用してもいいはずだが、
あえてエレベーターを利用していた。各エレベーターの回りには「高齢者・障害者専用」「高齢者優先」などと
書かれているが、目をくれることもなく乗り込む。後ろに高齢者や障害者が待っていても「お先にどうぞ」と
譲る姿はなかなか見られなかった。
地下鉄駅の公共エレベーターは高齢者・障害者・妊婦などのためのものだが、利用できるのはそうした
人々だけだという強制的な規定があるわけではない。このため、「高齢者などが多くなければ若い人が
エレベーターを使ってもいいのでは」という人もいる。
地下鉄駅員はこうした現象を残念に思いながらも「事実上、(現状を改善するような)代案がない」とため息を
ついた。地下鉄1号線東大門駅の駅員は「高齢者が若い人たちに押しのけられてエレベーターの近くで
困っている姿を見ると、そこに行って一言言いたくなるが、人手が足りないためできないのが現実」と語った。
ソウルメトロ関係者は「このエレベーターは交通弱者のために設置されているのは確かだが、『専用』とは
明記されていないため、 『罰』や『注意』をするのも難しい。弱い立場の人々に配慮する成熟した市民意識が
不十分なようで残念だ」と言った。
崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2013/08/25 09:58
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