13/08/21 06:34:50.17
「谷の水がこんなに冷たいのに、足も入れられないなんて話にならないじゃない」
19日午後、ソウル市鍾路区付岩洞にある白沙室渓谷。緑豊かな木々の間には、ここが都会の
ど真ん中であることが信じられないほど澄んだ水が流れていた。小さな川のほとりには水遊びに来た
市民たちが集まり、足を入れてパチャパチャさせていた。レジャーシートを敷いた中年女性たちは
蚊に刺されないように蚊取り線香までたいている。平日にもかかわらず50メートルほどの区間だけで
10人以上が暑さをしのぐために来ていてにぎやかだった。ほとんどがふもとの店で買ったり、家から
持って来たりした食べ物を出して食べており、缶ビールを開けるグループもいた。週末には川の流れを
一時的にせき止めて泳いだり、スイカやビールを冷やしたりする人も多い。
だが、白沙室渓谷の川に入って水遊びをするのはもちろん、水に足を浸す行為も違法だ。
白沙室渓谷はソウル市内にある四大門の内側で唯一のサンショウウオ生息地だ。ソウル市は、
市の保護種であるサンショウウオやスズガエルなど珍しい動植物が生息しているこの谷を2009年
11月に生態景観保全地域に指定した。白沙室渓谷生態景観保全地域の管理責任を担う
鍾路区関係者は「ソウル市自然環境保全条例により、谷川に入って水遊びをした場合、200万ウォン
（約17万円）以下の過料を科す対象となる」と話す。
レジャーシートを敷いて水遊びをしている一行のすぐ前には「入らないでください。サンショウウオ・カエルの
生息地です」「他人（サンショウウオ）の家に来て邪魔しないで」と書かれた木製の立て札があったが、
それを気にする様子はない。子どもと一緒に水遊びをしていた女性は「何日か前にテレビ番組で
『都会の中の避暑地』として紹介されていたのを見て来たのに、足も入れられないなんて話にならない
じゃない」と問い返した。
白沙室渓谷はテレビ番組で何度も「都会の中の避暑地」として紹介されているが、集まってきた
「避暑客」にすっかり弱っている。岩の間や谷のあちこちにはアルミ缶や割れたビンが散らばる。近所の
住民（67）は「週末になると車が集まるので町は騒々しくなり、酒を飲んで真っ赤な顔で大声を出すので
非常に苦痛だ」と話した。
近所の住民だけでなく、野生動物も苦しめられている。ある人気バラエティー番組で10年9月
「スズガエル・サンショウウオ・ジムグリガエルと一緒に写真を撮れ」というミッションが与えられ、出演者が
谷川に入ってスズガエルを手のひらに載せて写真を撮るなどした様子を放映した。白沙室渓谷で
野生動物を捕獲することはもちろん取り締まり対象だ。
しかし、ソウル市と鍾路区はこうした人々の谷への出入りを事実上、規制できていない。ソウル市
自然生態課関係者は「サンショウウオの産卵期でない夏に谷を訪れ、水遊びする市民まで立ち入り
禁止にするのは現実的に難しい」と話す。ここを管理する鍾路区は「野生動物保護のため、原則として
白沙室渓谷で水遊びをする人々の立ち入りを制限しなければならないが、爆発的に増えている人々を
啓蒙し、違反時に過料を科すには、現在の管理人員的に限界がある」と説明した。
ソウル環境連合の活動家ソン・ミヌさんは「市民たちが暑さをしのぐ場だと見なすよりも、野生動物が
生息している都会の中の小さな生態系空間として認識を転換することの方が重要だ」としている。
イ・ジョンウォン記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版: 2013/08/20 11:09
URLﾘﾝｸ(www.chosunonline.com)