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に入れた。本を構想したのは40歳を過ぎてスウェーデンのウプサラ大学に留学に行った後だ。
20代だった80年代にはできなかった考えだ。
‐‐世界史の変化にしっかり対応できない亡国の民からどんな点が肯定的に見えたのだろうか。
イ氏=帝国主義時代に朝鮮は、軍事や経済面で力のない国であった。その時期、韓国に
来た外国人が韓国人に対して残した記録はたいていなまけて未開で、怖がっていて、そうなの
だと思っていた。 ところがウプサラ大の図書館で当時の記録などを見て全く違う内容を発見
した。仕事も上手で、明晰で、力強く勇敢な韓国人についての描写だ。高位政治家たちは
腐敗して国が滅びる状況になったが、国民は機会が与えられればどんな事でもやり遂げること
ができるだろうという記録もあった。
ユ氏=私が長官になる前、韓国社会の大きな問題だと感じたことがあった。反目・葛藤・
ねたみや自嘲がひどすぎるのに、こういうことでは韓国社会が維持できるのかという考えになった
。100余年前、韓国人の姿を新しく思い起こしながら私はそのどんなものより私たちが持つ
希望の力、自負心の力がはるかに大きいと考えるようになった。
‐-韓国と韓国人に対するさげすみは、朝鮮末期から大韓民国の時代にだけあるのでは
ないようだ。
イ氏=韓半島は傷の多い国だ。それを治癒するのにも困難が多くならざるをえない。 治癒
する方法の中の一つは愛情だと思う。私たちの潜在力と長所に対する愛情。間違ったものを
すべて覆ってしまおうというのではない。批判するものの、魅力については愛すべきだ。そうしな
ければ精神的な傷は治らないようだ。
ユ氏=作家が指摘した「帝国主義陰謀説」に共感した。韓国を列強の植民地にするため
に「お前たちは劣等だ」と無意識の中に植えつけておいた。無意識中に刻印された敗北意識
と自己卑下はいまだに続いている。イ・スプ作家が愛情が必要だといったが、私のやり方で
言えば自慢・自愛だ。大韓民国を育てたのは私たちの精神力だ。韓国には何がもっとあるのか。
自然資源も少なく土地も小さい。100年間余り精神力一つで持ちこたえてきた。ところで
今は、その精神力をなくして度々物質的なものだけを重視する価値観に変わるようで残念だ。
‐‐文体部長官の役割を探しているようだ。
ユ氏=韓国社会の精神的基盤を探さなければなければならないと考えているところに、
朴槿恵(パク・クネ)大統領が文体部長官の席を提案してくれた。朴大統領が前面に出した
文化隆盛の課題は、単に芸術振興だけを示すのでなく、韓国社会の精神的な基盤を固めて
いこうということだと思う。精神的な基盤というのは、韓国の国民が共有しなければならない
文化的価値だ。それは政府がつくるものではない。私たち自らがどんな価値を追求したいのか
共に相談して合意して、目標にしようということが文化隆盛の方向だと考える。
‐‐私たちの精神的価値というのは、どんなものがあるだろうか。
ユ氏=私たちが知らずにいたり無視していたりした私たちの肯定的な姿を、この本が喚起
させた。それを参考にして私たちがどのように暮らしたいのか、再び質問を投げかけて答弁を
する過程で私たちの姿を見出していけるはずだ。
つづく