13/08/06 14:24:59.00
無賃乗車が多発する地下鉄駅の非常ゲート
「出勤時間に非常ゲートを通じて堂々と歩いて中に入る人がいます。これを見ると自分だけが損を
しているような気分になります」
今月1日午前8時ごろ、出勤のためソウル地下鉄2号線の建大入口駅で地下鉄を利用しようと
していたサラリーマンのLさん(33)が取材に応じ「身体障害者や高齢者などのため特別に設けられた
改札口(非常ゲート)から中に入り、無賃乗車をする人たちを1日に何度も目撃する」と話した。
公益勤務要員(兵役の代わりに公的機関で働く人)や駅員が立っているケースはほとんどなく、
また乗客が非常ゲート前のベルを押せば、1秒もしないうちにゲートが開くという。Lさんは「自分だけが
地下鉄公社に毎月10万ウォン(約8900円)を支払っている気分になり、被害者意識を感じることが
ある」と語った。
地下鉄改札口の片隅にある非常ゲートは、身体障害者や高齢者の地下鉄利用を支援するため、
2007年12月からソウル地下鉄の全ての駅に設けられた。ところが最近は本来の趣旨とは異なり、
良識のない市民による無賃乗車に悪用されている。
本紙は先月24日から31日まで、ソウル市庁、新村、新道林、江南、蚕室、建大入口、東大門など、
利用者数上位20位以内の駅から7駅を無作為で選び、非常ゲートの利用実態について調査を行った。
その結果、ゲート1カ所当たり1時間に20-40人の不正利用者がいることが分かった。
先月24日午前、ソウル地下鉄2号線新道林駅で調査したところ、2番出口横の非常ゲートを利用した
乗客は30分間で18人に上った。
同じ日、江南駅では三つある非常ゲートの一つが完全に開放されており、これを通じて1時間に50人
以上が改札を出入りした。別の日に新村駅では30分の間に15人、蚕室駅は13人、建大入口駅では
16人が非常ゲートを通じて何の制止も受けずに改札を出入りしていた。
先月31日午後、ソウル地下鉄4号線東大門駅では30分の間に36人が非常ゲートを利用した。いずれも
身体障害者や高齢者には見えない一般の乗客だった。非常ゲートは地下鉄の各駅に1-4カ所設置
されているが、このことを考慮すると、無賃乗車が1時間に100件以上発生している駅も少なくないことになる。
非常ゲートが良識のない市民の無賃乗車に悪用される理由はいうまでもない。それは管理がほとんど
行われていないからだ。非常ゲートを利用する場合、本来ならまず乗客がゲート横のベルを押し、駅員が
インターホンで乗客から話を聞いた上で、その内容が合理的と認められれば、駅員が遠隔操作でドアを
開けることになっている。しかしその実態についてある駅の担当者は「ベルは1日に数千回押されるため、
全ての話を聞くのは現実的に不可能だ」と述べた。
試しに本紙の記者が駅でベルを押したところ、インターホンからは何の回答もないまますぐにゲートが開いた。
たまに駅員がインターホンで応答し、非常ゲートを利用する理由について尋ねても、乗客が「トイレに行きたい」
「ホームに忘れ物をした」など適当なことを言えばすぐにゲートは開く。また誰かがゲートを利用する際、自動的に
閉まる前にそのすぐ後ろについて行くケースもある。これは駅に入る時も出る時も同じだ。
監視カメラを使う方法もあるが、1駅当たりの駅員が3-5人という現状では、誰かが監視カメラをずっと
見守るのはまず不可能だ。地下鉄2号線・建大入口駅のある駅員は「不正乗車行為を摘発しても、本人が
『トイレがどこか分からず迷っていた』『非常ゲートのベルを押してもそちらから何の反応もなかった』などと強弁
すれば、こちらからは何も言い返せない」と語る。
地下鉄1-4号線を運営するソウルメトロの関係者は「無賃乗車などの不正行為を根絶するため、韓国
鉄道公社(KORAIL)や都市鉄道公社などと協力して常時取り締まりを行っており、また広報活動も強化
している。しかし非常ゲートの運用方法を今すぐ改善する方法はない」とコメントした。
チェ・ヨンジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2013/08/06 11:27
URLリンク(www.chosunonline.com)