13/08/05 22:38:07.52
なるほど、朝日新聞はこのようにして事柄を歪曲(わいきょく)していくのか。
麻生太郎副総理発言を朝日新聞が報じる手口を眼前にしての、これが私自身の率直な感想である。
8月1日と2日、朝日の紙面は麻生発言で「熱狂」した。日によって1面の「天声人語」、
社会面、社説を動員し、まさに全社あげてといってよい形で発言を批判した。
討論会の主催者兼司会者として現場に居合わせた私の実感からすれば、
後述するように朝日の報道は麻生発言の意味を物の見事に反転させたと言わざるを得ない。
7月29日、私が理事長を務める国家基本問題研究所(国基研)は「日本再建への道」と題した月例研究会を主催した。
衆議院、都議会、参議院の三大選挙で圧勝、完勝した安倍自民党は、
如何(いか)にして日本周辺で急速に高まる危機を乗り越え、日本再建を成し得るかを問う討論会だった。
日本再建は憲法改正なしにはあり得ない。従って主題は当然、憲法改正だった。
月例研究会に麻生副総理の出席を得たことで改正に向けた活発な議論を期待したのは、
大勝した自民党は党是である憲法改正を着実に進めるだろうと考えたからだ。
が、蓋を開けてみれば氏と私及び国基研の間には少なからぬ考え方の開きがあると感じた。
憲法改正を主張してきた私たちに、氏は「自分は左翼」と語り、セミナー開始前から微妙な牽制(けんせい)球を投げた。
セミナーでも氏は「最近は左翼じゃないかと言われる」と述べ、改正論議の熱狂を戒めた。
私はそれを、改正を急ぐべしという国基研と自分は同じではないという氏のメッセージだと、受けとめた。
「憲法改正なんていう話は熱狂の中に決めてもらっては困ります。ワァワァ騒いでその中で決まったなんていう話は最も危ない」
「しつこいようだが(憲法改正を)ウワァーとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で決めてほしくない」という具合に、
氏は同趣旨の主張を5度、繰り返した。
事実を見れば熱狂しているのは護憲派である。改憲派は自民党を筆頭に熱狂どころか、冷めている。
むしろ長年冷めすぎてきたのが自民党だ。いまこそ、自民党は燃えなければならないのだ。
にも拘(かか)わらず麻生氏は尚(なお)、熱狂を戒めた。
その中でヒトラーとワイマール憲法に関し、「あの手口、学んだらどうかね」という不適切な表現を口にした。
「ワイマール憲法がナチス憲法に変わった」と氏はいうが、その事実はない。有り体に言って一連の発言は、
結局、「ワイマール体制の崩壊に至った過程からその失敗を学べ」という反語的意味だと私は受けとめた。
憲法改正に後ろ向きの印象を与えた麻生発言だったが、朝日新聞はまったく別の意味を持つものとして報じた。
たとえば1日の「天声人語」子は、麻生発言を
「素直に聞けば、粛々と民主主義を破壊したナチスのやり方を見習え、ということになってしまう」と書いた。
前後の発言を合わせて全体を「素直に聞」けば、麻生氏が「粛々と民主主義を破壊」する手法に習おうとしているなどの
解釈が如何(いか)にして可能なのか、不思議である。天声人語子の想像力の逞(たくま)しさに私は舌を巻く。
朝日の記事の水準の高さには定評があったはずだ。現場にいた記者が
麻生発言の真意を読みとれないはずはないと思っていた私は、朝日を買いかぶっていた。
(続く)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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