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「♪ヤマ~ダ、まだまだ安いんだ~ヤマ~ダ電機」のフレーズでもおなじみ。
わが国最大手の"家電量販店の雄"ヤマダ電機が、5月末を持って、中国・南京店を閉鎖。さらに6月末に天津店も閉店した。
ヤマダ電機といえば、2000年に東証1部に上場し、昨年3月期の売上高は、実に約1兆8354億円(連結)という巨大企業。
この業界では常勝の同社が、13億人という世界一の市場を持つ中国に打って出たのは、10年12月のこと。
しかし、南京店はわずか1年2カ月、天津店も2年で閉店となる。唯一、中国で残るのは1号店の瀋陽店のみ。
いったい、何があったというのか? ヤマダ電機の広報部に問い合わせると、「プレスリリースに記載されていることがすべて」との回答。
具体的なことは教えられないという。同社の資料には、南京店の閉鎖理由について、
「中国国内における家電市場環境の変化に加え、サプライチェーン(商流・物流)の構築が十分できなかった」と記されているだけ。
ただ、同社に近い人物によれば、「これは現地で、必要な商品を納品してもらえなかったことを意味している」というから驚きだ。
中国ウオッチャーの第一人者である宮﨑正弘氏は、こう分析する。
「ヤマダ電機は3号店の南京を足がかりに、中国最大の都市・上海進出を目論んでいた。ところが、昨年9月に反日デモが発生。
そもそも南京は、戦時中の南京事件の舞台。中国共産党が日本軍の残虐行為をデッチ上げ、プロパガンダに躍起です。
必然、反日感情が強く、それが業績不振に結びついた面もある」
また一部新聞は、ヤマダ撤退の原因を中国の家電量販大手「蘇寧電器」の存在にからめて報じている。
「蘇寧電器は深?株式市場に上場し、中国の民間企業で第3位の規模を誇る。その実績から、同社の張近東CEOは、
中国共産党と企業の"連携"組織である政治協商会議委員でもある。その蘇寧電器の本社は南京。
政府の後押しで、ヤマダ電機にプレッシャーをかけたことは、十分に想像できます」(宮﨑氏)
ヤマダ電機の南京店がオープンして約9カ月後、すぐ隣りに、ヤマダの1・5倍の売り場面積を誇る蘇寧電器の旗艦店が突如、オープン。
しかも、同社はラオックスを買収していたため、日本の家電量販店のノウハウを熟知していた。結果、ヤマダ電機の持ち味は、一挙に色あせてしまったのだ。
「ヤマダの岡本潤副社長(当時)は記者会見の席で、"現地企業のジャマがあった"と発言しています。
現地企業とは蘇寧電器を中心に、その他、蘇寧に連なる企業体のようです」(経済部記者)
実は蘇寧電器がライバルに対して牙を剥いたのは、ヤマダが初めてではない。
「蘇寧が躍進する前、中国の家電量販トップを独走していたのは国美電器でした。しかし、創業者の黄光裕が、
09年に突如としてインサイダー取引の罪で逮捕され、懲役14年という重刑に処せられました。ここから、国美の凋落が始まったんです」(宮﨑氏)
実は、「インサイダーなど中国の富裕層なら誰でもやっている」(通信社記者)にもかかわらず、
国美のトップは「党幹部に賄賂を払っていなかったから狙い撃ちにされた」(前同)というから凄い。
一方の蘇寧電器は、CEOが政治協商会議委員も務めるだけあり、党とはズブズブの関係。
「中国での企業間競争は、党幹部とのコネクションがものをいう」(宮﨑氏)ようだ。
(続く)
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