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「代金を受け取っていじめからお子さんを守ります」などと宣伝する業者が次々と登場している。
本紙が7月5日付紙面でこの問題を報じたところ、保護者などから
「その心情は百パーセント理解する」「被害に遭っていない人には分からない」などの声が相次いだ。
教育問題の複数の専門家は「一度違法な手段に頼ってしまうと、より大きな問題を引き起こす恐れがある」としながらも
「学校に失望し、公権力を頼りなく感じた保護者たちが、自分で自分の子どもを守る手段を考える段階に入ってしまった。
このことは深刻な問題として受け止めねばならない」と指摘する。
子どもが校内暴力やいじめに苦しむ保護者の多くは、実効性のない学校の対策に失望している。
そのため保護者も今や外部の業者に問題の解決を依頼することに、それほど大きな拒否反応を示さなくなったことが分かった。
本紙が5日に66人の保護者を対象として緊急の聞き取り調査を行ったところ、39人(59%)が
「自分の子どもが校内暴力やいじめに苦しんでいるのなら、外部の業者に連絡して相談する」と回答した。
その理由として保護者たちは▲加害者側の生徒が言い逃れをすれば対策の取りようがない▲学校は問題の表面化を恐れて実態を公表しない
▲学校による処罰もその時だけで終わる▲警察に届けても「触法少年」とされるだけで処罰はされない
▲法的対応には時間がかかりすぎる▲法的対応を進める間に報復を受ける恐れがある-などの点を挙げ
「これらの現状が改善されないのであれば、結局は業者に頼むしかない」と回答した。
一方で「学校や警察に連絡して解決を目指す」と回答した保護者は27人(41%)にとどまった。
校内暴力予防センターのキム・ゴンチャン事務総長は「校内暴力やいじめが発生すれば、学校は本能的に隠蔽(いんぺい)や
矮小(わいしょう)化に乗り出す傾向がある。調査をしても時間がかかるし、その間に2次被害が発生する可能性も高い。
そのため外部の業者がこれらの問題の解決に当たろうとするのは、ある意味当然のことだろう」と指摘する。
校内暴力への対策がしっかりと行われていないことも問題だ。年齢が満10歳から14歳までの未成年の犯罪者は「触法少年」と呼ばれているが、
彼らは刑事処罰を受けないことになっている上に、捜査機関も未成年者の犯罪に対しては慎重に捜査を進めるという実態がその根底にある。
韓国刑事政策研究院のスン・ジェヒョン博士は「校内暴力のほとんどは容疑者が在宅のまま捜査が行われるため、
捜査中も加害者の生徒は被害者の生徒と共に学校生活を送っている」と説明した。
いじめに苦しむ娘が自殺未遂にまで追い込まれたという母親(42)は「娘は20人以上の他の生徒からいじめに遭っていたが、
教師が他の生徒たちの前でいじめる側の生徒たちを叱ったため『告げ口をした』としてさらにいじめがひどくなった」
「それでも学校は『こちらに責任はない』などと言い逃ればかりしている」などと不満を吐露した。
ソウル木洞に住む別の母親(51)は「加害生徒らは言い逃れをするし、学校は問題の表面化を恐れて公表しない。
これでは保護者は金を払ってでも(業者に頼んで)問題を解決しようとするのは当然ではないか」と主張する。
専門家は、保護者が私的に対策や報復に乗り出す最も根本的な理由について「校内で公権力を信頼できないのが原因」と分析する。
ちなみに犯罪発生率が高く、犯人の検挙率が低い開発途上国ではボディーガードなどを雇うのはごく普通だ。
このような「法律よりも力の方が役に立つ」という発展途上国型の認識が、韓国の学校でも広まりつつあるのだ。
ソウル大学社会学科のキム・ホンジュン教授は「校内暴力やいじめに遭った生徒たちが次々と自らの命を絶つほど苦しんでいるのに、
政府はここ数年間、問題を解決できるという信頼を国民に持たせることができなかった」「政府への信頼が失われているため、
保護者としては学校も警察も教師も信頼できなくなり、暴力にはより強い暴力で対抗する『ジャングルの法則』に頼らざるを得なくなった」との見方を示した。
高麗大学社会学科のキム・スハン教授は「政府など公的な分野への信頼が低いメキシコなどの国では、
個人が私設の警察を雇って保護を受けるのが一般的だ」とした上で
「個人が暴力を行使する『私的報復』は公権力を無力化し、近代国家の基礎を崩壊させてしまう」と警告した。
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