13/06/10 07:27:25.74
特報 ヘイトスピーチ過激化
表現の自由か 規制の対象か
国会 議論広がらず
欧州 ナチスを猛省
「朝鮮人は殺せ」「出て行け」と連呼するヘイトスピーチ(憎悪表現)デモが東京・新大久保などで続いている。
欧州各国では人種的憎悪や民族差別をあおる言動は犯罪だが、日本ではヘイトスピーチそのものを罰する法律
はない。安倍晋三首相が国会で懸念を表明したものの、政府は「法規制が必要なほどの差別扇動はない」との
立場を崩さない。野放しのままでいいのか。(佐藤圭)
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在日特権を許さない市民の会(在特会)東京支部が一日に開いた「総決起集会」。約百五十人の参加者を前に、
桜井誠会長は言い切った。「韓国は文句ばかり言ってくる。日本社会に敵対心を持つ外国人に『出て行け』という
のはヘイトスピーチでも何でもない」
在特会など右派系グループは、在日コリアンが多く住む新大久保などで数年前から嫌韓デモを行ってきた。今年に
入ってから「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「朝鮮人は皆殺し」といったヘイトスピーチが過激化している。
これに対し、デモのそばで「レイシスト(人種差別主義者)帰れ」と抗議する市民が登場。民主党の有田芳生参院
議員ら国会議員約十人も「一線を越えた悪質な扇動」と反対ののろしを上げた。
人権行政を担当する法務省は、ヘイトスピーチの定義について「概念は確立されていないが、人種や国籍など
特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動」と説明する。在特会は「(デモに
反対する勢力は)自分たちが気に入らなければ『ヘイト』と決めつけている」と反発しているが、「殺せ」「出て行け」
は典型的なヘイトスピーチといえる。
安倍首相は先月七日の参院予算委員会で「一部の国、民族を排除しようという言動のあることは極めて残念」と
発言。谷垣禎一法相は同九日の参院法務委員会で「許されるべきものではない」と強い口調で批判した。
ところが、法規制について問われると、とたんに口が重くなる。
特定の個人や団体ではなく、朝鮮人のような不特定多数の集団に向けられたヘイトスピーチは、現行法では民事
でも刑事でも規制できない。
弱腰見透かされ
日本を含む百七十六カ国が加盟する国連人種差別撤廃条約では、各国にヘイトスピーチの法規制を求めている
ものの、日本は関連条項を留保したままだ。その理由は「正当な言動までも不当に委縮させる危険を冒してまで処罰
立法措置を検討しなければならないほどの差別扇動は今の日本にはない」。ヘイトスピーチが横行する事態に直面
した今も、外務省は国会で同じ答弁を繰り返している。谷垣氏は、具体的な対応策について「啓発活動に一層取り組
んでいく」としか言わない。
政府の弱腰は、嫌韓デモ側に見透かされている。集会終了後、在特会の米田隆司広報局長は記者団に「ヘイト
スピーチが批判をはね飛ばし、国民大衆運動として盛り上げていく」と力を込めた。
(>>2以降につづく)
ソース:中日新聞 2013年6月8日(土) 朝刊27面(紙ソース)
参考
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