13/05/22 20:31:24.86
中国では、土地使用権と当該地上建築物を転売して収入を得た場合、「土地増値税」を支払わねばならない。
ところが弁護士の李勁松氏が最近、「29の上場不動産会社の(昨年の)年報を精査したところ、
土地増値税を合計640億元(約1兆700億円)も脱税していることが分かった」と発表したため、大騒ぎとなっている。
土地増値税の徴収は、1994年に制定された「土地増値税暫行条例」に基づいて始められた。92~93年ごろに不動産価格が急騰したため、
バブル抑制を目的に政府が講じた措置だった。土地使用権と当該地上建築物を転売して収入を得た企業・団体と個人が対象で、
その金額に応じて30~60%まで4段階で累進課税される。不動産会社にとっては、かなり厳しい税金である。
ところがこの税金は、徴収が始まってからすでに20年近くたつのに、これまで十分に徴収されてこなかった経緯がある。
税務当局は2010年に通達を出し、条例通りに納税するよう促したことがあったが、不動産業界の激しい反発をくい、ほとんど効果はなかった。
その大きな原因となっているのが、納税額の計算方法が複雑なことである。まず転売収入から控除項目金額を差し引き、利益を算定する。
その利益の控除項目金額に対する比率によって、税の比率を決めていく。
ところが控除項目金額の計算の仕方は複雑で、税務当局も手を焼いているほど。不動産各社はそこに付け込んで、
土地をいくつかに細分化して開発したり、ひどい場合には土地売却の直後に会社を解散させたり、あの手この手で抜け道を作り出し、脱税しているのだ。
李氏は各不動産会社の財務データを精査して、合計640億元の納入不足を見つけ出した。別の学者の試算によると、
土地増値税は本来の30~60%に対して、15~30%しか支払われていないという。
この学者は過去10年間でその脱税額は数兆元に達するとみている。
土地使用権の売買については、地方政府が農民などから土地使用権を安く買い上げ、それを不動産業者に高く売り渡し、
巨額の資金を得ていたとして批判を浴びてきた。ところが地方政府だけでなく不動産会社も、
土地使用権をさらに高い価格で転売し、しかも巨額の脱税をしていたということになる。
地方政府と不動産会社が結託して暴利をむさぼる。これが不動産バブルの実態だったといえようか。(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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