13/05/08 14:57:19.44
日中韓３カ国の環境相会合が北九州市で開かれ、
微小粒子状物質「ＰＭ２・５」などによる大気汚染防止対策を進めるための共同声明を採択した。
ＰＭ２・５は、工場のばい煙や車の排ガスなどに含まれる直径２・５マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）以下の物質のこと。
肺の奥に入り込み、循環器系への悪影響が心配されている。
東アジアの主な排出国となっている中国では健康被害を訴える人が増えている。
汚染物質は風に乗って国境を越えるため、風上、風下の国家間の枠組みによる対応が迫られていた。
３カ国は粘り強く話し合いを重ね、実効ある具体策をまとめてもらいたい。
共同声明は、大気汚染物質による健康への影響を憂慮し、各国の協力の重要性をうたっている。
その上で、今後、観測などに関する情報交換や具体的な協力の方法を検討していくために「政策対話」の新設を決めた。
政策対話は、各国環境省の課長級か局長級の官僚が出席し、定期的に話し合う。
具体策が固まったところで環境相による会合をあらためて開催。合意できれば３カ国の連携プロジェクトとして、取り組んでいく考えだ。
中国の大気汚染は悪化の一途をたどっている。中国政府は２月上旬、
有害物質を含む濃霧が国土の４分の１を覆い、人口の半数近くが影響を受けた、と発表した。
大気汚染の影響による中国国内の発病率が例年と比べ２０～３０％増えた、との報道もあり、日本でも不安が広がっている。
実のある対策をまとめるには、中国が排ガス規制の強化などに本腰を入れるかどうかにかかっている。
人権や言論と並び、指導部の環境対策に国民は不満を募らせている。
社会を不安定にしかねない問題であることを自覚し、交渉に前向きに取り組み、声明の具体化を急いでもらいたい。
領土をめぐる緊張や安倍晋三内閣の閣僚らによる靖国神社参拝などで、日中、日韓関係は悪化したままだ。
中国は今回の会合を代理出席で済ませている。政治の対立が国民の健康に関わる重要な会議に影を落とすのは問題だ。
日本はかつて各地で深刻な公害を経験した。克服するための技術や政策、対策など、蓄積は多い。
アドバイスや技術の提供では最大限の協力をしたい。
環境分野での協力推進は対話の糸口にもなるだろう。外交修復のためにも積極的に取り組むことを日本政府に期待する。
URLﾘﾝｸ(www.shinmai.co.jp)
【朝日新聞/社説】日中韓の対話-中国大気汚染への環境協力を次へつなげ。日本企業も一因だ[05/08]
ｽﾚﾘﾝｸ(news4plus板)
【毎日新聞/社説】日中韓環境会合閉幕、日本は関係改善の足がかりに。中国大気汚染への環境協力は東アジア主要国として当然[05/08]
ｽﾚﾘﾝｸ(news4plus板)