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●半月城教授、日本の全国テレビでのご活躍
マスコミの竹島=独島報道、クロスファイア
半月城です。
多くの人が外務省の「竹島は日本固有の領土」という説を信じて疑わないのは、マ
スコミがこぞってつくりあげたバベルの塔の権威によるものではないでしょうか。そ
の塔の先端が外務省のパンフレット「竹島問題を理解するための十のポイント」であ
り、これを批判した番組はほとんどなかったようです。
わずかな例外が9月15日にBS朝日で放映された、激論!クロスファイア「竹島問
題、韓国は竹島問題をどう考えているか」でしょうか。この番組の出演者は下記のと
おりです。
司会:田原総一郎、村上祐子
ゲスト:韓国中央日報東京総局長 金玄基、竹島=独島問題研究ネット 朴炳渉
コメンテーター:朝日新聞論説委員 恵村順一郎
番組では「慰安婦」問題にかなりの時間がさかれましたが、●それでも江戸時代の天
保期に幕府が竹島・松島を朝鮮領と考えて絵図を作成したことなどが語られました
(注1)。しかし、明治時代に太政官が竹島・松島を日本の領土外にしたことは説明し
かかったものの、時間の関係で語られませんでした。
田原総一郎は1877年の太政官指令についてはご存じだったようですが、天保の絵図
についてはご存じなかったようです。この絵図が掲載された『朝鮮竹島渡航始末記』
は、その文章のほとんどが、幕府が編纂した対外関係資料集である『通航一覧 続
輯』巻之五に転載されましたが、資料価値が高い幕府史料です。
●この幕府史料の存在によって、外務省の「遅くとも、17世紀半ばには、竹島の領有
権を確立しました」という主張はほぼ覆されたといえます。といっても、外務省は
1877年の太政官指令同様に都合の悪い史料には沈黙を守ることでしょう。
これらを含めて外務省が表に出さない竹島=独島の史実が広く知れ渡る時、弱みや
欠陥のある塔は崩れることでしょう。去る10月11日、日韓会談の関連文書で外務省が
開示を拒否してきた竹島=独島関係382件のうち70%にあたる268件を全面開
示(212件)と一部開示(56件)の形式で公開するよう言い渡した東京地裁の判
決がありましたが(注2)、これから少しずつ真実が明かされていくことでしょう。
●(注1)天保の絵図は下記の論文にてカラーで見られます。
朴炳渉「江戸時代の竹島=独島での漁業と領有権問題」『北東アジア文化研究』35
号、2012、p.29。
URLリンク(www.kr-jp.net)
(注2)東亜日報、2012.10.12、「東京地裁、日韓条約の文書開示を命令」。
URLリンク(www.han.org)
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