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突然のSAT中止で受験生はパニックに
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▲2010年のSAT問題漏えい事件で捜査を受けたスクール
先月30日午前2時ごろ、米国の大学への進学を目指す韓国の高3生らに1通の電子メールが届いた。差出人は
米国の大学進学適性試験（SAT）を主管する非営利の民間機関、カレッジボードだった。
「われわれは韓国の検察から、韓国の一部の語学スクールがSATの問題を不正に入手し、金もうけをしたとの疑惑を
伝え聞いた。現在、複数の大学に韓国での5月のSATを中止する旨を通知している」
誰もが眠っている深夜、受験生たちはパニックに陥った。高校卒業後に米国の大学へ進学するのは、主に外国語高校、
国際高校、自律型私立高校（カリキュラムなどが学校側の裁量に任せられた私立高校）の生徒だ。人数は年間数百－
2000人ほどだが、入試に対する熱意や期待は人一倍高い。
受験生とその保護者らは、香港や日本などでは5月に試験を受けられるのか、韓国では5月の試験だけが中止される
のか、6月以降も実施されないのかなどについて、インターネットで調べ回ったり電話で確認し合ったりと忙しく、その晩は
寝られなかった。カレッジボードの米国事務局に抗議の電話をかけた保護者もいた。
突然のSATの中止について、入試の専門家らは「予想されていたこと」と指摘する。検察は今年2月、SATの問題を
漏えいした容疑でソウルの有名な語学スクール数カ所を家宅捜索した。これらのスクールは、先に試験が行われる
東南アジアの国でアルバイトにSATを受けさせ、それぞれ担当パートを暗記またはこっそり書き写させて問題用紙を
再構成し、韓国に持ち込んだという。
その後、SAT受験生らの間では「いつもは2400点満点のSATで1600点ほどだった人が1月のSATで突然満点に近い
点数を取ったらしい」「問題が出回ったが、価格は最高800万ウォン（約71万円）だった」といったうわさが飛び交った。
SATの中止は、こうしたさなかに起こったハプニングだ。韓国では2007年にもSATの問題が漏れ、韓国の受験生約900人の
成績が全て取り消された。
留学スクールの経営者は「韓国は本当に自省すべき。2月のSAT問題漏えい事件がマスコミに報じられてからも、
一部の保護者は『あんな悪質な語学スクールに通ってはいけない』と言うのではなく『あんなスクールに通ってこそ子どもも
良い点を取れる』『次はあそこに通わせよう』などと話している」と語った。
問題は、利己的で図々しい少数のせいで真面目な大多数の受験生が被害を受け、さらには韓国が「不誠実な国」だ
という印象を持たれてしまったことだ。ある受験生の保護者は「問題用紙を金で買ったのは他人なのに、真面目に勉強した
大勢の人が罰を受けることになり、本当に腹が立つ」と話した。
民族史観高校のユン・ジョンイル校長は「（問題漏えいは）国の品格までを落とす行為。こんなことが続けば外国の大学が
韓国の学生を色眼鏡で見るようになる」と警鐘を鳴らしている。
金秀恵（キム・スヘ）記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版: 2013/05/02 09:46
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