13/04/29 19:54:58.67
>>1の続き
日本側としては反論もあろうが、ともかく北朝鮮側はそう思い込んでいるのである。
いや、北朝鮮ばかりか、韓国も中国も同様に考えている。だから4月25日に、別所浩郎･駐韓国大使が、
外交通商部に呼び出されて強烈な抗議を受けた。また尹炳世外相は、
「日本が時代錯誤的な行動を取るならば、代償が伴うということを、多くの国と連携し、メッセージとして送る」として、訪日をドタキャンした。
実は韓国の外交通商部には、「隠れ親日派」が多い。日本語を話す外交官も多いし、
何と言っても先輩たちから「日本に学べ」と教えられてきたエリートたちだ。こうした人たちをも敵に回してしまうことは、はたして日本の国益になるのか。
中国も冒頭紹介したように外交部報道官が激昂して、日本の国会議員たちの靖国参拝を非難した。
拉致問題の解決には、北朝鮮経済の生殺与奪を握っている中国を味方につけるのが、一番の早道だ。
だが安倍政権は、いまや中国をも完全に敵に回してしまった。中国はいま、「日本の拉致問題解決のために一肌脱ごう」などという状況にはない。
ちなみに、靖国参拝問題に関して、日本政府の中国に対する認識として、決定的に誤っていることがある。
それは、「首相･外相･官房長官の3人さえ参拝しなければ、その他の閣僚や国会議員の参拝については非難しない」という日中間の"暗黙の了解"だ。
安倍政権は今回、この暗黙の了解に則って、安倍首相、岸田外相、菅官房長官の3人は、参拝を自重した。
それなのに、日本を非難するのは何事かというのが、安倍政権の主張だ。
だがその"暗黙の了解"は、あくまでも胡錦濤政権との間で交わされたものであり、
習近平政権としては、承諾したことはない。かつ今後、承諾するつもりもない。
日本でも安倍首相が、「民主党政権時代のものは白紙に戻す」と、よく語っているが、あれと同じ理屈である。
習近平主席は、「胡錦濤政権時代のものは白紙に戻す」とは公言していないが、その言動を見るかぎり、そう言いたいのは明らかだ。
だから、麻生副総理やその他の閣僚たちが靖国を参拝する安倍政権に対して、はらわたが煮えくり返っているのである。
周知のように、習近平政権下の中国は、政権発足直後から危機にある。
恐怖のH7N9型インフルエンザの感染者は25日現在、112人に達し、22人が死亡した。
4月20日に発生した四川省の大地震では、200人以上の死者･行方不明者を出した。
4月23日には新彊ウイグル自治区で民族衝突が起き、21人が死亡した。深刻な大気汚染は一向に収まらず、毒食品に加えて、
国民的ミネラル･ウォーターの「農夫山泉」まで"毒水"であることが発覚した。
中国国民の不満は溜まっているのである。その怒りの矛先が、容易に日本に向かうことは、昨秋の反日デモでも明らかだ。
それでも日本にとって中国は、最大の貿易相手国であり、貿易依存度は19.7%に及ぶ。
EU全体の2倍以上の面積と人口を誇る大国、年間7%以上成長している大国と、
あからさまに敵対することは、日本の国益になるとはとても思わない。
主義主張を通すことは大事だが、それによって大きく国益を損ねることがあってはならない。
安倍政権には、老獪な外交を望む。
URLﾘﾝｸ(gendai.ismedia.jp)
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