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［ソウル ２２日 ロイター］ 韓国の経済政策当局者らは、日本の安倍政権の積極的な経済政策「アベノミクス」や、それに
伴う円安で自国経済が打撃を受けると懸念していたが、ここへきてそうした懸念は後退している。
円安で日本の輸出競争力が高まり、相対的に韓国の輸出競争力が低下しているが、スマートフォン（多機能携帯電話）から
自動車まで、韓国製品のグローバル市場における競争力は改善しており、円安に伴う韓国経済への全体的な影響は弱まって
いる。
ホットマネー流入に対する懸念にもかかわらず、金利低下により今年に入ってからネットで資本が流出しているほか、北朝鮮
情勢の緊迫化でウォンも下落した。
趙源東（チョ・ウォンドン）大統領府経済首席秘書官は電話で「ホットマネーの流入に無関心でいることは決してできないが、
円はドルとは異なり、（大規模な資本流入の）兆候はまだみられない」と指摘した。
ウォンは２０１２年終盤の数カ月に急伸したものの、今年第１・四半期には対ドルで３．６％下落。円は対ドルで８．０％下落し、
日本の相対的な輸出競争力が増しているものの、その影響をやや和らげる格好となった。
韓国中銀もアベノミクスに伴う潜在的なリスクを気にせず、先週には政策金利を２．７５％に据え置いた。市場では利下げが予想
されていた。
中銀の決定について、ＩＮＧ（シンガポール）のエコノミスト、ティム・コンドン氏は「先週の金利据え置きの決定をみれば、中銀の
金融政策委員会は（アベノミクスに伴う資本流入を）それほど心配していないと言っても差し支えないと思う」と述べた。
中銀はアベノミクスよりも、国内不動産業界の低迷といった国内要因への目配りを重視するとみられる。
コンドン氏は「彼ら（金融政策委員会）はおそらく、日本が再び活性化すれば究極的には韓国にとってプラスになるとの長期的な
見方を採用したのだろう」と指摘した。
また、円安は日本製の機械などの価格低下につながるため、韓国のメーカーにとってもプラス要因だ。
一方、アナリストらは、韓国は急速なウォン安に気をつけるべきだと指摘。対外経済政策研究院（ＫＩＥＰ）のシニア研究フェロー、
Yoon Deok-ryong氏は「過去に見られたように、ウォンの急落は資本の逃避による悪循環を引き起こしやすく、ウォンの一段安を
招く可能性がある」と述べた。
REUTERS: 2013年 04月 22日 15:16
URLﾘﾝｸ(jp.reuters.com)
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