13/04/16 01:16:40.22
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)をご存じだろう。
そう、日の丸を掲げ「韓国人を皆殺しにしろ」と暴言を吐きながら街頭を練り歩く〝ネット右翼〟のことだ。
先月末の日曜日、新宿のコリアンタウンで彼らのデモがあるというので見に行った。
午後2時前、出発点の大久保公園にはざっと200人ほどが集まっていた。ネット右翼というから若者たちだと思っていたら、
違った。大半は中年男性だ。20~30代と思しき人はそんなにいない。女性の姿もかなり少ない。
彼らの身なりや表情や会話の様子を側でじっくり観察させてもらった。ジャンパーやスエットなどを着たラフなスタイル。
時おり見せる温和な笑顔。拍子抜けするほど普通の日本人たちだ。凶暴なレイシズム(人種・民族差別)をうかがわせるものは何もない。
参加者のなかにひときわ目立つ男性がいた。グレー地に白いストライプのスーツでびしっと決めた「新日の丸友の会」の代表・中井ケイノスケ氏(42歳)である。
彼に聞くと、今日のデモと集会は「新日の丸友の会」主催の「特定アジア粉砕新大久保排害カーニバル」だそうだ。在特会は協賛団体という位置づけらしい。
と言ってもスローガンはいつもの在特会デモと同じ。「日韓国交断絶。不逞外国人追放。外国人犯罪の撲滅・・・・・・」。たぶん参加者の顔ぶれもあまり変わらない。
ただ中井氏によれば「今日はヘイトスピーチ(憎悪表現)は一切なし。
今までメディアに注目してもらうため過激なことを言ってきたけど、その目的はもう達したから」という。
なるほど、そういうことか。だが、そのために在日の人々はどれほど恐ろしく、悔しく、悲しい思いをさせられたか。
罪の意識はないのかと聞いたら「まったくありません。だって韓国や中国のほうが日本にひどいことをしているから」という答えが返ってきた。
午後2時すぎ、公園出口で中井氏がマイクを握った。
「勇気ある行動保守、愛国者の皆さん。今日はこの新大久保によくぞお集まりくださいました。私は通りすがりの社会的弱者、バツイチ42歳の中井と申します。
今日はお祭りなんで、あまりいきり立たないよう、アハハ、お願いします」
お祭りだと!私は腹が立った。在日の人たちに精神的な拷問を加えるのがそんなに楽しいのか。人が苦痛にあえぐ姿を見て喜ぶ自分が恥ずかしくはないのか。
在特会の八木康洋副会長も登場した。彼は一昨年、竹島問題で日本の国会議員らが韓国入国を拒否された例を挙げ、こう言った。
「そのとき下條先生(下條正男・拓殖大教授)が入国を拒否された理由が『命の保証ができない』だった。韓国で日本人が命の保証をされない。
だとしたら、日本にいる韓国人・在日朝鮮人の命も保証する必要はない。それが相互主義というもんじゃないですか!」
「そーだっ!」。発言が過激になるにつれ聴衆の喚声も一段と高くなり、殺気立つ。おとなしい日本人がレイシストに変貌していく。
デモが始まったのは午後2時半ごろだ。先頭は中井氏運転の街宣車。後部座席の女性がマイクで「我々は韓国との国交断絶を実現するぞ!」
とシュプレヒコールを上げる。デモ隊の周囲を、私服の公安刑事や防弾チョッキを着た機動隊員たちが固めている。
林立する日の丸と旭日旗。そして「あえて言おう、朝鮮人はカスであると」「韓国人がテレビからいなくなりますように」などと書いたプラカード。
そのなかには「韓国人女性≒腐れ売春婦」というのもあった。泣きたくなるほど下劣で醜悪な言葉である。
(続く)
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