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中国国営の新華社通信の発表などによれば、4月11日の時点で、
中国国内の新型鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染者は計38人、死者は10人に達した。
患者の一部は養鶏業務に関わっていたことが確認されており、生きた鳥を取引する上海の市場でも、食用のニワトリとハトから同種のウイルスが検出されている。
世界保健機関(WHO)中国事務局のマイケル・オレアリー代表は、
「現時点で人から人への感染は確認されていないが、感染例は症状が非常に重く、死亡率も高いことがわかっている」と、
事態の悪化を憂慮。ウイルスの爆発的な感染拡大を防ぐための体制づくりは、まさに一刻を争う急務となっている。
しかし、中国の医療・畜産事情に詳しい上海在住のジャーナリスト、程健軍(チェン・ジェンジュン)氏は
「感染爆発(パンデミック)は防げそうもない」と、中国当局の対応に絶望的な見解を口にする。中国に有効な防衛策はないのか?
「残念ながら、ほぼ無策です。中国では180億羽以上のニワトリが飼育されており、小規模な養鶏場でも100万羽レベル。
1平方メートルに30羽以上が押し込められていることも珍しくありません。
インフルエンザに1万羽くらいかかってもおかしくない、というのが現場感覚。細かいことを気にしていたら、この国では生きていけないのです」
中国の養鶏の現場は、日本人の想像をはるかに超える悲惨な状況になっているという。
「中国の養鶏環境や流通環境を知る多くの人民は、今さら鳥インフルエンザくらいでは驚きません。
多くの養鶏場では、鶏糞をエサの一部として豚や牛を同時に飼育しています。すさまじい悪臭を放つ多種の動物の糞尿、
前が見えないほどの大量のハエ、穴だらけの畜舎の内外を自由に飛び回るハトやスズメなどの野鳥……」(程氏)
その影響は、もちろん養鶏場の労働者たちに及んでくる。
「当然、あらゆる病気の発生率は高く、原因不明とされる奇病で作業員が死亡する事件も多発。
若者の間では、生き埋めや爆発事故が頻発する炭坑労働に次いで『やりたくない危険な仕事』にランクインされています。
もちろん畜舎で発生した病気が、あっという間に近隣に飛び火することも疑いようがありません」(程氏)
つまり、どこかの養鶏場で鳥インフルエンザが流行すれば、そのウイルスが自由に拡散する状況になっているということか。
しかも、中国当局は発生源の特定すらできないのだと程氏は言う。
「本来ならば、発生地域のニワトリをすべて殺処分し、焼き尽くす必要があるでしょう。しかし現実には、
もし仮に当局が『地域のニワトリをすべて焼け』と指示を出したところで、黙って従う人民たちではありません。
近隣の村を挙げて壮大なインフル焼き鳥パーティが始まるか、感染鶏肉が横流しされ、安価で中国各地に流通することになるでしょうね」
15人の感染と5人の死亡が確認された上海市では、市場で売られている食用のニワトリが10万羽以上処分された。
だが、その程度ではまったく解決にならないのが現実のようだ。
(取材・文/近兼拓史)
URLリンク(wpb.shueisha.co.jp)
【中国】H7N9型鳥インフルエンザで流通禁止され殺処分の鳩、職員らが「むさぼり食う」=広東(画像あり)[04/15]
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