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「清明」とは読んでの通り、清らかで明るい状態を示す。昭和41年夏、3泊4日で奈良の
大神(おおみわ)神社に参籠した三島由紀夫はその感激をこの「清明」という言葉に託した。
色紙に認(したた)めた2文字は後に石碑に刻まれ、近くの池のほとりに残されている。
▼一方で「清明」は二十四節気の一つでもある。春分から15日目を言い、木々が芽吹き
だす今ごろの季節感も込められているようだ。中国では前後が清明節として休みになり、先祖
の墓参りをする習慣がある。今年は昨日まで、その清明節で賑(にぎ)わったという。
▼だが今年の清明節、多くの中国国民にとって心は「清明」といかなかったかもしれない。
上海を中心に鳥インフルエンザの人への感染が確認され、死者も出始めているからだ。
一部には清明節の休みで人の動きが激しくなれば流行が広がる、との心配もあったらしい。
▼むろんまだ鳥から人への段階である。人から人にうつる事態とはなっていない。
だから大流行の兆しは今のところなさそうだ。近隣の日本などでも、むやみに恐れることは
無用だ。ただ問題は経済発展優先の陰で、中国当局の衛生管理や健康対策がおざなりに
見えることだ。
▼今年の冬は大都市を中心にPM2・5という微小粒子状物質などによる大気汚染が
猛威をふるった。政府はまだ有効な手を打てていない。先月には上海の川に豚の死骸が
1万匹以上捨てられていた。豚には鳥インフルエンザウイルスを媒介している疑いもあるという。
▼そんな中インフルエンザの流行が広まれば、国民の不安は募るばかりだ。それが一党独裁
体制への不満と重なり中国政府に批判が向けられるに違いない。
またぞろ、そのハケ口が「反日」に向けさせられるのだけはゴメンこうむりたい。
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