13/04/03 09:31:33.33
対馬を南北に分ける境がある。日本から朝鮮半島に抜ける時間短縮のため、明治33年に海軍が開削した「万関(まんぜき)瀬戸」。
浅茅(あそう)湾と三浦湾を結ぶ運河だ。日露戦争の日本海海戦に出撃する水雷艇隊が通過し、歴史的勝利に貢献した。
いまでは、この運河を不法入国者を乗せた密航船が通過することもあるという。第7管区海上保安本部(北九州)の対馬海上保安部によると、
朝鮮半島から、大胆にも、特定海域のいびつな対馬の領海線をまたぎ、万関瀬戸を通り一気に日本を目指す。
「密航は手口を変容させ、悪質、巧妙化している」。警備救難課の田添太志課長(39)は分析する。
貨物船のコンテナや隠し部屋に不法入国者を潜伏させ、大量に密航させるような手口は影を潜めた。
斡旋(あっせん)ブローカーから依頼を受けた漁船や貨物船などの船員が少人数を船室に潜伏させるなど小口化しており、
密航船の動きがつかみにくく、摘発が難しくなっているという。
「瀬渡し」という日韓双方の港を出港した船が、対馬海峡で密航者を引き渡す手口もある。闇夜や荒天に紛れ、無灯火で航行する密航船。
田添課長は「広大な海から、すべての船をチェックしきれていないかもしれない」と話す。
韓国・釜山から厳原港まで高速ジェット船で片道1時間45分。最も手軽な海外旅行が「対馬」だ。
昨年は約15万人が訪れたが、対馬の人口は約3万5千人。街では韓国人観光客の姿ばかりが目立つ。
2月下旬の夕刻。入り口にハングルの張り紙がある店に次々と韓国人観光客が吸い込まれる。チゲ鍋が等間隔に並ぶテーブルの席につき、杯を傾ける。
ただ張り紙のない、すぐ近くの日本食居酒屋の前は誰も見向きもせずに素通りする。
「二極化しているんですよ。うちにもほとんど来ない」とホテルなどを経営する、太田憲三さん(65)。
韓国の旅行会社と提携するホテルや飲食店は、韓国人観光客が大挙して押し寄せ、対馬の一部が韓国人街になってしまっているのが現状だ。
年々、増加の一途をたどる韓国人観光客に紛れ、窃盗団や密輸グループも入国。昨年10月、神社や寺から相次いで仏像などの文化財が盗まれた。
韓国の警察当局に摘発された窃盗団は、福岡を経由し釜山に持ち込んで韓国内で売りさばこうとした。
税関当局が徹底した検査をしていれば、水際で阻止できた可能性もある。釜山の税関では「模造品」と判断されていたとされる。
対馬には古くから伝わる別れ際のあいさつがある。「オイザトナー」。たとえ就寝中でも、何かの有事の際は賢く行動しなさいという意味を持つ。
鎌倉時代の元寇襲来など幾多の受難の歴史を持つ対馬ならではの言葉だ。韓国からの密航、密輸、窃盗…。
「いまこそ、この『オイザトナー』を思い返し、対馬が置かれている厳しい現状に向き合うべきではないだろうか」。地元郷土史家、小松津代志さん(64)はこう戒める。(森本充)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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