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【シンガポール=青木伸行】ベトナムは、中国と領有権を争う南シナ海に面する南部カムラン湾に、ロシアをはじめ諸外国の
海軍艦船の補給・整備施設などを、共同で建設することにロシアと合意した。ロシアの支援により、ベトナム海軍の潜水艦基地も
建設される。ベトナムはフィリピンとも軍事協力の強化に動いており、対中牽(けん)制(せい)網を広げている。
カムラン湾はベトナム戦争当時に米軍が、その後はソ連(ロシア)軍が2002年に撤退するまで使用した要衝。施設の共同建設は
ロシアのショイグ国防相が今月上旬、カムラン湾などベトナムを訪問した際に合意された。
ベトナムは水深18~30メートルのカムラン湾を再開発し、各国の海軍艦船に、燃料や食糧などの補給と要員の休息、艦船の
整備のために開放する構想を示してきた。
これを対中戦略の観点に限定してみれば、米国やロシア、インドなどの艦船を招き入れることにより、対中抑止力とする狙いがある。
同時に、主に米国という特定の“対中勢力”にのみカムラン湾を使用させる形は避け、中国との関係悪化を回避するという「全方位
外交」の反映でもある。
再開発構想では、カムラン湾は(1)潜水艦基地などベトナム海軍専用(2)外国海軍の艦船用(3)民間船用-の3区域に区分
される。ロシアは自国用施設のみならず、外国海軍艦船の施設全般の建設を支援する。
さらに重要なことは、ロシアがベトナムの潜水艦基地の建設にも協力するという点だ。ベトナムは対中戦略の目玉として、ロシアから
キロ級潜水艦636MVを6隻購入しており、今年中に1隻が引き渡される予定。ロシアは潜水艦部隊の編成、要員の訓練も支援し、
基地の建設と合わせハード、ソフト両面における“後ろ盾”だといえる。
カムラン湾では13日、施設建設などに従事するロシアの船舶・軍事関連企業1社が、事務所を開設した。
ベトナムはまた、対中強硬派のフィリピンと国防当局者による作業部会を開き、中国を主眼に連携を強化することで合意した。両国は
10年に、防衛協力に関する覚書を交わしており、これを基本に具体策が協議されたとみられる。
ベトナムは最近、中国によるパラセル(中国語名・西沙)諸島でのテレビ、ラジオ局の開設や、スプラトリー(同・南沙)諸島における
3G通信システムの導入など、ソフト面での実効支配に対しても強く警戒、反発している。
msn産経ニュース: 2013.3.22 01:27
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