13/03/19 10:28:22.61
円高修正。このところ日本の企業家・政治家が口癖のようにいう言葉だ。日本の時代精神にでもなったようだ。
彼らの三段論法は簡単だ。これまで円がとても高く評価されてきた、それで日本経済がこのありさまだ、ここから抜け出すには円高を正さなければならない。
もっともらしく見えるが鉄壁の論理ではない。1番目と2番目の前提に疑問がつく。
まず日本がこの数年間円高に苦しめられたという話が100%正しいのか。
2008年の金融危機以前の1ドル当たり100円台だった円が2012年9月に77.44円に高まったことを彼らは円高という。
しかし異なる時点の為替相場を比較する時は物価変動を考慮するのが常識だ。経済学者が話す実質実効為替相場はそのように計算されて出る。
少し前にKDB大宇証券がJPモルガンの資料を通じて分析した結果、最近の円のドルに対する実質価値は2008年9月以後最低水準と現れた。
1995年と比較すると約40%落ちたという。米国の物価が上がる間に日本の物価は後退したためだ。
日本銀行もやはり実質実効基準としてこれまでの円高が激しいとはいえないとみた。それでも円の価値をさらに落とそうというのは円高修正でなく「円安シーズン2」だ。
国際通貨基金(IMF)のラガルド総裁も円安を近隣窮乏化政策だと非難しなかったか。
それなら円高のせいで日本経済が不況に陥ったという2番目の前提も過度な飛躍だ。
日本は円高だと死にそうな声を出したが実質価値でみれば18年間生暖かい円安の風呂に体を漬けていた計算ではないのか。
これほどになると円がさらに下がれば日本経済が生き返るという主張は祈福信仰のように映るほどだ。
エンジンが故障した車にガソリンを入れたところでどうしようというのかという冷笑もこのために出てくる。
ところで日本の円安誘導を批判する韓国も言えた義理ではないのは同じだ。韓国もまた一時高為替相場政策のおかげで利益を得たことがあるからだ。
そのような韓国が日本を非難するのは偽善だと主張する外国の学者もいる。そのような不公正判定に耳を傾ける理由はないが、
少なくともそのような見方が存在するという事実は意識する必要がある。自分の国のお金の価値を定めるのにも外国の気持ちを考えなければならないのが現実だ。
韓国の財務官僚がしばしば使う為替相場主権という言葉は憂国忠誠を込めているが、国際的にはちょっとやりにくい表現だ。
同じことをしても繊細なレトリックを開発する必要がある。 それがコミュニケーション能力だ。
安倍晋三首相が日本銀行総裁に黒田東彦アジア開発銀行総裁を起用した理由のひとつも彼の国際的コミュニケーション能力という。
彼は過激な円安突撃隊ではない。彼はオーストリア生まれの哲学者カール・ポパーの熱烈な信奉者だ。そのような面では投資の鬼才ジョージ・ソロスと似ている。
彼はポパーに対する論文を翻訳するなど勉強を絶えずしているという。ギリシャ哲学にも造詣が深い。過去の大蔵省官僚時代にはアリストテレスの本に囲まれて生きた。
「思索するモフィア」と言うか。安倍首相が支持するから「はい、兄さん」と露骨に駆け寄るタイプではない。
円安を誘導しながらも洗練されたレトリックを駆使することができる人物だ。財務官時代に円高阻止のため数兆円を放出しながらも国際的非難をかわした実績がある。
彼は通貨管理を「成功と失敗、不確実性と希望の間のグレーゾーンでだけ生きる野獣」に例えたことがある。
通貨政策担当者として現実と目標の乖離をいつも意識するという意だ。このように侮れない能力の持ち主が20日から日銀を率いる。
このところ中央銀行の競争力は成長力回復にあるという声が大きくなっている。
この競争で韓国銀行はどの地点に来ているか、日銀の洗練された円安レトリックを牽制する能力は果たして備えたか。
新しい日銀総裁就任を契機に韓国銀行が答えなければならない問題はひとつやふたつではない。
URLリンク(japanese.joins.com)
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