13/03/13 23:35:58.49
中国の大気汚染問題が深刻だが、中国の人々はどんな環境で生きているのか。
安心、安全、健康、クリーン・・・、そんな言葉の真逆を行く社会では、すべてにおいて疑いを持つことから始めなければならない。
例えば買い物。果物を買いにスーパーに行くと、売り場で長考を強いられる。甘さは? 農薬は? 産地は?
中国ではオレンジの表面にオレンジ色を着色する事件があった。イチゴは皮を剥いて食べるわけにはいかないので、なおさら手が出ない。
加工食品は得体がしれない。どの地域? どの工場? 何を使っているのか? などと考えると、結局手ぶらで帰ってくるしかない。
2月下旬、筆者は上海に住む中国人の友人、蔡さん(仮名)宅を訪れた。蔡さんは「老公房」と呼ばれる国有資産の払い下げ住宅に住んでいる。
台所で夕食の支度をする蔡さんが使っていたのは、なんと330元もする食用油だった。日本円にすれば約5000円(4.5リットル)の油だ。
蔡さんは「安い食用油は信じられない。とにかく高いものなら安全だと思って」と言う。
どのブランドが安心安全なのか、もはや国民にとって判別不能。高いものなら安心と信じ込まざるを得ないのだ。
今度は、台所のゴミ箱を見て目を疑った。そこにはドサッと捨てられた彼女のハイヒールがあった。その上にバナナの皮と野菜の切りくずがべったりとくっついている。
いずれも彼女にとっては「不要物」だろうが、「同じゴミ」とはいえ、そういう捨て方に気分が悪くなった。
「壊れたの?」と聞くと「もう1年履いたから」。管理職の彼女にとってショッピングが唯一のストレス発散なのだと言うが、そこには「モノを大切にする」という感覚は皆無だ。
その一方で、上海市民はショッピング自体にも大きな不満を抱いている。理由は、買った物が「すぐに壊れるから」だ。
筆者の別の友人の曾さん(仮名)は、「カルフールで買った折りたたみ傘が、1度使っただけで壊れてしまった」と不満顔だ。よく見れば、ミシンの縫い目も、
骨に布を止める縫製もいい加減だ。39元(約600円)の傘は決して安物とはいえない。同じ中国製でも、日本の店ならば500円でもっとまともなものが買える。
すぐに壊れるので、2本、3本と次々に傘を買うことになる。中国人はそれが当たり前だと思っている。消費者からの信頼を得ようと考える経営者は一握り。
これではまるで「ゴミにするために生産している」ようなものだ。
中国ではこの10年で、「使い捨て」を意味する「一次性(yicixing)」という言葉が定着した。人々は使い捨てに何のためらいも持たなくなった。
「使い捨てが当たり前」と考える消費者と、生産者の「この程度でいいか」という姿勢がこの国の消費文化を支えている。
中国のGDPはこうした使い捨て文化が押し上げているとも言える。
上海で地下鉄に乗ると、どの駅も車内も、春節が明けて上海に戻ってきた外地人でごった返している。「土埃で汚れた」荷物もさることながら、
何日も風呂に入っていないと思われる風貌や体臭からも、彼らが「今日、自分が生き残ることで精一杯」だということが伝わってくる。
彼らの故郷の汚染は察するに余りある。川にはゴミが散乱し、地面を掘れば出てくるのはプラスチックゴミ・・・。
個人に衛生観念がない土地で環境問題を説いたところで焼け石に水なのだ。
電車の中の空気もまた汚染されている。いろんな臭いが混じっているのだ。誰かが肉の串刺しを食べているかと思えば、
他の乗客は手をべたべたにしながらフライドチキンを食べている。
車内ディスプレーに「車内でモノを食べないように」という公共広告が流れるが、誰もそんなものは見てはいない。
街頭では平気で痰を吐き、人ごみの中での放屁ですらここではタブーではない。
また、禁煙のはずのロビーでもエレベーター内でも所構わず喫煙する。中国では、今このタバコがPM2.5の元凶だとも言われている。
URLリンク(jbpress.ismedia.jp)
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