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「中国に近いから怖いわ」。福岡の繁華街、天神の喫茶店で若い女性がマスクを外しながら友人にこう話していた。微小粒状物質「PM2.5」の警報が
広がるにつれて福岡市では最近マスク姿が目立つ。石炭火力発電所の煤煙(ばいえん)や排ガスが主因とされるPM2.5。偏西風に乗って中国から
飛来する黄砂には慣れている博多っ子も、PM2.5に対してはおびえを隠しきれないようだ。(フジサンケイビジネスアイ)
だが、福岡県民にとってPM2.5よりもはるかに恐ろしいものがある。中国からの放射性物質の飛散である。遼寧省の渤海湾周辺など原発ラッシュが続く
中国沿岸部から、福岡県や佐賀県といった北部九州までの距離は1000キロ足らず。特に渤海湾で建設が進む紅沿河原発周辺は中国でも有数の
地震地帯で、玄海原発よりもはるかに危険な地域に立地が進んでいるのに情報が全くない。
紅沿河原発の第1号機の建設が始まったのは2007年。現在、4号機まで着工済みだ。だが、この原発の立地する渤海湾には中国でも最も地震を
引き起こしやすいとされる2つの地震帯があり、その地震帯のほぼ真上に建設中であることが九州の関係者を敏感にさせている。
実際、この地域はしばしば大きな地震に見舞われている。1976年には原発近くの唐山市で直下型大地震が発生、24万人を超す死者を出している。
その前年には唐山市から400キロ離れた海城市を直下型地震が襲い1000人を超す死者が出た。後者の死者が極端に少ないのは「ネズミが一斉に
逃げだした」といった住民情報をもとに政府が避難命令を出した結果とされ、世界で唯一「予知された地震」と記録されている。
現在、中国の既存原発は16基。これに対し中国工程院は2050年時点で原発の総出力4億キロワットと想定している。出力100万キロワットの原発
400基分で、単純計算すればこれから40年足らずで原発を25倍に増やすことになる。ところが紅沿河原発をはじめ中国の原発について情報開示はほとんど
行われておらず、震災・津波対策の実態も定かでない。
こうした実態を把握するために、原子力産業協会は毎年、世界の原発に安全対策や稼働率を尋ねるアンケートを配布しているが、中国からの返答は皆無
という。「安全対策の実態解明は全く進んでいない」と同協会の担当者はこぼす。
政府の原子力規制委員会は2月6日、「世界で最も厳しいレベル」という原発の新安全基準の骨子案を示した。
だが、黄砂やPM2.5の被害を受ける九州の経済界が目を向けているのは、規制委の新安全基準ではない。九州財界の首脳の一人はこう言う。「規制委は
玄海や川内再稼働のためのハードルを上げているとしか思えない。立地条件に懸念のある中国原発のリスクを誰が真剣に考えているのか」
(産経新聞西部代表 鶴田東洋彦)
msn産経ニュース: 2013.3.4 07:57
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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