13/02/16 09:14:51.04
「シバジ」という言葉がある。「シ」は韓国・朝鮮語で「種」、「バジ」は「受け止める体」を意味する。
朝鮮半島の両班(ヤンバン)(貴族階級)で跡継ぎを産むために雇われた女性の呼び名だった。
そのシバジを、工作員をつくる手段として使ったと証言する朝鮮労働党の工作機関の元関係者がいる。対南(韓国)工作機関「統一戦線部」元幹部の張哲賢(チャン・チョルヒョン)氏(41)だ。
張氏は「外国人を拉致してきて北朝鮮で子供をつくらせる。“工作員の現地人化”作戦の一つだ。これを別名でシバジ拉致と呼んだ」と話す。
張氏はシバジ拉致について、「金正日(キム・ジョンイル)(総書記)の考えた拉致だった」と証言した。
1974年に金日成(イルソン)主席の後継者に内定した金総書記は、工作機関の見直しの一環として、新たな指示を打ち出した。76年の拉致指令がそれだった。
シバジ拉致の前段階の発想として、「子供拉致」があったと張氏は説明する。
外国から拉致してきた子供に北朝鮮への忠誠心を植え付け、工作員に育て上げようとしたが、子供たちは望郷の念が強く、失敗に終わるケースが目立った。
日本人被害者では、横田めぐみさんが13歳で拉致された。バドミントンの部活動を終えて帰宅途中に拉致されためぐみさんは制服姿だった。
2002年9月の日朝首脳会談直前、統一戦線部にいた張氏は部内でたびたび、日本語の「めぐみ」という名前を聞いた。
あるとき幹部が「めぐみのケースはシバジ拉致に至る過程での子供拉致だった」と話したという。
大韓航空機爆破事件(1987年)の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員(51)も昨年12月、東京都内で開かれた拉致事件に関するセミナーで、
「めぐみさんは子供だから洗脳して工作員として使おうと拉致されたと思う」と指摘した。
北朝鮮は、子供に限らず、拉致被害者を工作員として養成しようとした。
帰国した被害者、地村富貴恵さん(57)は北朝鮮に拉致された翌年、指導員から「工作員にするために拉致した」と明かされた。
脱出に成功したレバノン人被害者は「工作員教育を受けた施設に欧州や中東諸国の女性被害者28人がいた」と証言した。
ただ、実際に海外などで工作活動に主体的に加担した被害者は確認されていない。同時並行的に、成人に比べ精神的に未発達な子供にも工作員教育を施そうと、
「子供拉致」も実行したが、成果が得られなかった。そのため拉致被害者らに子供をつくらせる方針に転換した可能性がある。
両親のいずれか、あるいは双方が東アジア系でない場合、朝鮮人には見えない子供が生まれる。その子供を工作員にすれば、外国での活動が容易になる上、北朝鮮の影は見えにくい。
元脱走米兵4人はいずれも、日本、レバノン、ルーマニア、タイの女性被害者と結婚した。
日本人被害者、曽我ひとみさん(53)の夫、チャールズ・ジェンキンスさん(72)は、拉致被害者と元脱走米兵を結婚させた北朝鮮の狙いについて、
「子供をつくらせ、スパイに養成するためだ。子供は北朝鮮で生まれて、教育するので、信用できるのだろう」と推察している。
北朝鮮は、脱走米兵と女性被害者らの子供を平壌外国語大学に進学させた。金賢姫元工作員の母校だ。
ジェンキンスさんは北朝鮮当局者から同大学へ「入学できるようになった」と伝えられたとき、子供を工作員にしようとしていると疑ったという。
日本人被害者が、脱走米兵や別の被害者らとの結婚のほかに、工作員の日本語教官や翻訳業務などに従事させられていたことをみれば、
他国の被害者らもそれぞれの目的に応じて処遇されていることは容易に想像できる。
あらゆる手段で工作員をつくろうとした北朝鮮。その被害は少なくとも14カ国に及ぶ可能性が高い。被害者らの安否は不明のままだ。
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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