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2013.02.10
連載:「日本」の解き方
このところの円安で自動車メーカーなどの業績が急回復しているのに対し、韓国ではウォン高が
進んでいる。
安倍晋三首相が自民党総裁選に出馬した昨年9月以降、円はドルに対して2割弱安くなって
いるが、逆に韓国ウォンはドルに対し数%程度高くなっている。このため、円はウォンに対し
2割以上も安くなっている。これは、アベノミクスによる金融緩和の効果が大きい。
今年1月の世界の株式市場を見ると、日本、米国、英国、中国が5~7%程度も軒並み
上昇しているのに対し、韓国は1・8%下落した。
韓国の名目GDPは1・1兆ドル(約103兆円)であるが、輸出入総額は1兆ドル強で
ほぼ同額だ。日本は名目GDPが475兆円であるが、輸出入総額は134兆円と名目GDPの
28%であるので、韓国の対外依存度は日本よりはるかに大きい。
しかも韓国の輸出は大企業に偏在している。自動車や電子部品など、輸出市場で日本企業と
競合する大企業は円安で大きな打撃を受ける。もっともこうした大企業は為替ヘッジなどで
相当部分これを吸収する余力がある。それでも対応できなければ、最終的に部品企業や協力
企業の納品単価に転嫁することとなるだろう。
一方、日本は円安によって企業が活力を取り戻している。韓国の苦境や日本への期待感が、
まず株価に反映された形になっている。
ただ、このまま韓国が何もしないとは考えにくい。1月11日の韓国銀行(中央銀行)が
政策金利を2・75%に据え置いたのは意外だった。インフレ率は1・5%、2012年第4
四半期の経済成長率は0・4%と景気減速しているにもかかわらずだ。韓国のインフレ目標は
3%であるので、まだまだ金融緩和の余地は大きい。
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