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25日、小野寺五典防衛相は、昨年12月に北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルに関する報告書を提出した。
防衛省の分析によると、ミサイルの射程距離は1万km以上に及ぶ可能性もあるという。これが事実ならば、日本全土はもちろんのこと、アメリカ本土もその標的となる。
国際的な非難を覚悟の上、「人工衛星」と称して事実上の大陸間弾道ミサイル発射実験を強行した金正恩・北朝鮮。
金正日時代の“先軍政治”路線継承を強く印象づけた形となったが、実はこの長距離弾よりも命中精度が高いとされる、射程1300kmの「ノドン」ミサイルが、日本のほぼ全土を射程内にとらえている。
元韓国国防省北朝鮮分析官で、現在は拓殖大学アジア情報センター客員研究員を務める高永喆(コウ・ヨンチョル)氏はこう解説する。
「北朝鮮は現在、ノドンを200基以上配備している。核弾頭の搭載能力の有無がしばしば話題に上りますが、核弾頭がなくとも、
原発を狙えば核ミサイルまたはダーティボム(放射性物質を内包した爆弾)と同じ効果があります。原発の炉心部は二重、三重の外壁に囲まれているので、
ノドンが命中しても炉心爆発しないといわれていますが、連射により打撃が重なった場合などは最悪のケースも否定できません」
ミサイル防衛システムで最初の数発は迎撃できても、飽和攻撃となれば何が起きてもおかしくないということ。さらに付け加えておくと、日本の原発は北朝鮮だけでなく、
中国の弾道ミサイル「東風21型」や、長距離巡航ミサイル「長剣10型」「東海10型」のターゲットとなっていることも忘れてはならない。
また、北朝鮮のミサイル発射実験成功に戦慄した韓国も現在、射程800kmの弾道ミサイル「玄武2-C」を開発中。2016年に予定されている在韓米軍の陸上兵力撤退後、正式に配備されることになりそうだ。
「玄武2-Cなら、北朝鮮全域が射程内に入る。また、射程を550km程度に抑えれば、弾頭重量を1tまで増量でき、核施設や地下軍事施設を破壊することも十分可能になります」(前出・高氏)
実はこの玄武2-Cの800kmという射程内には、日本の四国や九州、そして関西の大都市圏が含まれている。また、巡航ミサイル「玄武3-C」の1500kmの射程内には、ほぼ日本全土がスッポリと収まっている。
もちろん現在の政治バランスを考慮すれば、現実的にこのミサイルが日本へ向けて発射される可能性は極めて低い。だが、それでもフォトジャーナリストの柿谷哲也氏は声を潜めてこう語る。
「韓国のミサイルは紛れもなく、日本を射程内に入れることも念頭に置いた上で開発されています。政府内、軍のトップ、力を持つ退役軍人の一部には、対日戦略に“積極的”な有力者が少なからず存在しますから……」
日本周辺は各国の飛び道具だらけなのだ。
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