13/01/24 23:30:20.60
(前略)
中国において中国式のコミュニケーション方法を採り、受け入れられている日本のブランドとして、朝日新聞の中国版ツイッター(ウェイボー、微博)を紹介します。
2011年2月から開始して、フォロワーは12年12月現在で、新浪・QQの両ウェイボーを合わせると100万人以上います。
「フィナンシャルタイムズ(以下、FT)」と「ウォールストリートジャーナル(以下、WSJ)」の中国版ツイッターもありますが、それぞれフォロワーは120万人、135万人です。
中国には、中国語版の「FT」も「WSJ」もあり、これら2誌とも日本とは比べものにならないほど読まれており、ビジネスリーダーにとっての影響力もあります。
これら2誌には及びませんが、日経新聞や共同通信の中国版ツイッターのフォロワーが1万人以下であることを考えると、朝日新聞は大健闘していると言えるでしょう。
この朝日新聞がまさに中国式のコミュニケーション方法を採っています。それは、ウェイボー(中国版ツイッター)は、
結局個人同士のコミュニケーションのツールの延長線上にあるという基本原則に忠実だということです。
朝日新聞ウェイボーを運営している友人の野嶋剛さんによると、実際に書き込んでいるスタッフたちに、
「フォロワーを増やし、読んでもらうために、好きなように発言してもいい」と任せているそうです。
スタッフたちはまるで個人のブログのような感覚で自由に文章を書き、朝日新聞の社会面に載っている面白い記事を取り上げ、自分なりに皮肉ったりする。
日本に住んでいる中国人という目線で書いていて、一般的なメディアとはまったく違います。中国では日本好きな人が読むウェイボーとして受け入れられています。
好きなように発言すると炎上するのでは? と思われるかもしれませんが、野嶋さんは「ネット上の中国人は踏み越えてはいけない一線を知っているので、炎上リスクは捨てている」とか。
ネガティブな発言はいっさい無視のスタンスとのことですが、実際、中国のネットユーザーは賢いので、「過去に1回も炎上したことがない」と言います。
ときどき、共産党やチベット問題などの微妙なネタを差し込んだりしているのですが、中国のネットユーザーは、本当にヤバイ話にはまったく食いつかない。
どんな話題なら騒いでもいいかをよくわかっていて、ある意味、日本人以上に空気を読んでいるわけです。
逆に、日本人のネトウヨ(ネット右翼)からはたたかれているそうです。
中国人が日本を批判する言葉でよく使われるのが「小日本」。
これは「日本なんか国も小さいし、人も小さいし、肝っ玉も小さい」という意味が込められているのですが、昨年、民主党の細野豪志議員が発言した
「石原さんが支那と呼ぶのも間違いだが、中国側も日本を蔑称である『小日本」と呼ぶのはやめてほしい」という趣旨のコメントに便乗して、それじゃ「小鬼子」にしようと朝日新聞がツイートしました。
「鬼子」も日本を侮辱する言葉ではありますが、「小鬼」という言葉は一般的に子供に対して呼びかける言葉で、悪いニュアンスはまったくありません。
「小鬼子」は造語ですが、ほかの言葉の持つ悪いイメージをぐっと和らげることができ、朝日新聞のちょっとした機転でした。
それを日本人のネトウヨが見つけて、「朝日新聞は中国で日本を差別用語で呼べとシュプレヒコールを上げている!」と騒ぎ立て、日本のネット上では大炎上してしまいました。
しかし、中国では1回も炎上しないという不思議さ……。
私は朝日新聞のように中国では中国式のコミュニケーション方法を学ぶべきだと思います。
そのうえで、自分たちの「日本品質」の価値を中国式で伝えていく。これが中国での成功に必要な基本思想だと思います。
URLリンク(toyokeizai.net)
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