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中国の地下鉄でこのほど、乗客同士が殴り合う騒ぎがまたまた起きた。
北京の地下鉄に乗車した乗客4人が混雑した車内で、押した押されたなどといった小競り合いがきっかけとなり、殴り合いの喧嘩に発展。
喧嘩は北京駅から朝陽門駅までの間続き、途中、停車駅で車外に出る一幕もあった。制止されなければ殺人事件に発展するほどの衝突だった。
小さな揉め事がきっかけの路線バスや地下鉄、切符売り場などでの喧嘩は中国では日常茶飯事。国際便の航空機の中でさえ人目をはばからず喧嘩をする。
「文明的で礼儀正しい」信条を持ち続けているはずの中国人はなぜこれほどにもカッとなってしまうのか。
これは近年のネット暴力の社会への影響が一因だ。「官僚や金持ちへの嫉妬・憎悪」という心理からの根も葉もない中傷や、
プライバシーの侵害行為など、ネット上の一部掲示板はうっぷんを晴らす場となっている。
バーチャルの世界での意見の相違から来る売り言葉に買い言葉による炎上は、現実の世界での殴り合いを助長するようになった。
凶暴性はよこしまな風潮であり、大衆を感染させるウィルスだ。周囲の同情心を失わせ、
他人の悩みと苦しみに無関心な態度をとらせ、ひいては他人の不幸を望み、人々を利己的、残忍、極端に走らせる。
分かりやすくいうと、尊重や思いやり、同情などが「プラスのエネルギー」であるといえば、
凶暴性は人間関係を傷付け、社会の調和を破壊する「マイナスのエネルギー」だ。
このような凶暴性には、誰もが怖気づくが、是正する勇気はない。モラル失墜の根源には社会の不公平がある。
貧富格差の拡大や官僚の汚職、権力乱用などがはびこる中では、人々は自分を他人と比較する際、
自分を弱者だと思うようになりがちだ。凶暴性を払しょくするには、凶暴性が生まれる土壌をなくし、暗黙のルールの下で、
誰もが弱者という心理を和らげ、特に法治を強化し、法という武器で弱者層の利益を守り、社会の公平を実現しなければならない。
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