13/01/19 00:38:33.70
円に対するウォン相場が18日、4年3カ月ぶりの高値をつけた。日米両国の量的緩和政策を背景に投機マネーが韓国市場に流れる構図で、
ウォン高円安は海外市場で日本メーカーとしのぎを削る自動車や鉄鋼、造船など韓国輸出企業の競争力をそぎ、業績を悪化させる可能性がある。
輸出依存度が高い韓国経済全体への影響も大きいため、政府や通貨当局も危機感を募らせている。
18日のソウル外為市場でウォン相場は100円=1174ウォンと、2008年10月以来の高値をつけた。
12年6月につけた直近の安値からの上昇率は3割弱に達する。あふれたマネーが韓国市場にも流入しウォン買い圧力となっている。
ウォンは対ドルでも1ドル=1050ウォン台半ばと1年5カ月ぶりの高値圏で推移している。
安倍晋三首相の金融緩和方針を受けて円が対ドルで下落しているのもウォンの対円相場を押し上げる。
ウォンは円と直接取引がなく、ドルを通じて交換するためだ。ドルに対してウォンが上昇する一方で円は下落しているため、
対円でのウォン相場は上げ足がさらに大きくなるという展開だ。
ウォン高・円安は韓国輸出企業のライバルである日本企業の経営境を好転させる要因で、韓国勢にはマイナス。
米市場でトヨタ自動車としのぎを削る現代自動車や鉄鋼のアジア市場で新日鉄と競合するポスコはその典型で、日本勢にシェアを奪われる事態を警戒する。
液化天然ガス(LNG)船など高付加価値船舶を大量受注している現代重工業やサムスン重工業も円安に振れるほど日本勢との激しい競争に直面する。
ウォン相場が対ドルで10ウォン上がった場合の影響を、KDB大宇証券のアナリスト朴永鎬(パク・ヨンホ)氏は
「現代自の売上高は1兆1770億ウォン(約1000億円)、営業利益は約1250億ウォン減る」と見る。
対円でもウォン高が進めばさらに大きな打撃になりかねない。
現代自はウォン安に加え、東日本大震災、タイの洪水と次々に日本メーカーを襲う問題で代替需要を獲得してきたが環境が変わりつつある。
経済の中核を担う輸出の減速は韓国全体の不振につながりかねない。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は14日の記者会見で
「必要な時には(為替介入で相場の急変動を緩和する)スムージングオペレーションなどで積極的に対応する」との姿勢を示した。
韓銀は介入の実施を事後にも公表しないが、市場関係者の間では小規模な介入を既に繰り返しているとの見方も多い。
相場の変動幅を抑えるための規制を強化するという観測も浮上している。
韓国は既に銀行に対する為替先物取引規制などを導入しているが、毎日経済新聞は17日付で、申斉潤(シン・ジェユン)企画財政省第1次官が
「既存の規制強化のほか新たな方法も検討している」と述べたと伝えた。
URLリンク(www.nikkei.com)
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