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写真: 先月27日、慶尚北道亀尾市で発生したフッ酸ガス漏れ事故の様子を捉えた監視カメラの画像が、9日公開された。
工場の従業員がタンクローリーの上で作業していたところ、猛毒のフッ酸ガスが噴出した。この従業員は搬送先の病院で
死亡した。／写真提供＝慶北地方警察庁
慶尚北道亀尾市の化学薬品メーカー「ヒューブグローバル」の工場で発生したフッ化水素酸（フッ酸）ガス漏れ事故の直後、環境部（省に相当）
傘下の国立環境科学院（以下、環境科学院）は同市に対し、中和剤として消石灰（水酸化カルシウム）を散布するよう計7回にわたって要請したが、
同市などはこれを黙殺していたことが分かった。
環境科学院は、事故発生から1時間40分後の先月27日午後5時20分ごろ、亀尾市や慶尚北道消防本部などに対し「中和剤として消石灰を
散布するとともに、化学防護服を着用せよ」という警告を発していたことが分かった。同院はさらに、午後6時6分と同33分に、消防当局に同じ内容を
伝えた、と9日発表した。
環境科学院の現場対応班は、この日午後11時55分に現場に到着、酸性度を測定するためPH試験紙を配ったが、水分が多いため計測できな
かったという。消石灰で中和するのではなく、水をまいたためだった。亀尾消防署の関係者は「火災が発生したとの通報を受け出動したため、水を
まいて消火しようとした。当時は有毒ガスの噴出なのか、火災による煙なのか区別できなかった」と釈明した。
環境科学院はさらに、28日午前0時30分、事故現場でフッ酸が検出されたことを確認し、直ちに消石灰による中和を要請するなど、計3回にわたって
中和のための措置を指示した、と説明した。だが結局、消石灰が散布されることはなかった。
同日午前11時20分、環境科学院は行政安全部の中央災難（災害）安全対策本部を通じ、亀尾市に対し消石灰の散布を指示するよう要請、
同市は事故発生から22時間がたった同日午後1時25分、ようやく現場に消石灰を散布した。同市の関係者は「事故発生直後、1袋20キロの消石灰
15袋を現場近くに持ち込んだが、接近が困難なため散布できなかった。環境科学院の要請は、慌ただしかったため正確に把握していなかった」と釈明
した。一方、同市は事故当日、工場周辺の住民たちに避難を命じたが、消石灰を散布する前の28日午前10時ごろに帰宅させた。これについて環境
科学院は「危険にさらされた状況で、亀尾市が避難させた住民を勝手に帰宅させたのは理解に苦しむ」と話した。
大邱大の劉永億（ユ・ヨンオク）教授（環境教育学）は「フッ酸は水と混合することでさらに拡散し、浸透性が強くなる性質がある。事故が発生して
すぐに消石灰による中和を行っていれば、被害や危険性を最小限にとどめることができた」と指摘した。
亀尾＝ 崔宰薫（チェ・ジェフン）記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版: 2012/10/10 14:31
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