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(前略:ロシア人などの名字に関する解説)
では、同じアジアの中国人や韓国人・朝鮮人の名字にはどんな特徴があるのだろうか?
「実は日本人の名字に比べてかなり少ないという特徴がある」と森岡さんは言う。その原因の1
つが1文字の名字が多いことだ。
表3は中国人の名字のトップ10である。
URLリンク(www.nikkei.com)
統計によって多少順位は異なるが、「李、王、張」が中国の3大名字だということがわかる。中国
公安省の統計によると、首位は王(総人口に占める割合は7.25%)、2位は李(同7.19%)、3位は
張(同6.83%)。上位3位の合計は総人口の21%強を占める。4位以下は劉、陳、楊、黄、趙、呉、
周の順。上位100位の名字で総人口の85%を占める。
一方、中国科学院の統計によると、首位は李(総人口に占める割合は7.4%)、2位は王(同
7.2%)、3位は張(同6.8%)。上位3位の合計はやはり総人口の21%強を占める。4位以下は劉、
陳、楊、黄、趙、周、呉の順。上位129位の名字で総人口の87%を占める。
全体として1文字の名字が圧倒的に多い(司馬、欧陽など2文字の名字もまれには存在する)。
森岡さんによると、中国人の名字は少数民族も含めて4000程度とされ、10万から30万はあると
される日本人の名字に比べるとかなり少ない。
「中国の漢民族は世界でも最も早く名字ができた民族といわれるが、伝統的に漢字1字の単姓
を基本としており、日本のように自分で地名などから名字を名乗ったり、分家した際に名字を変え
たりすることがなかった。だから、名字の種類も増えなかったのではないか」と推測する。
中国文化とは一線を画し、むしろ日本が独自の文化を形成したということだろう。
中国よりもさらに名字が少ないのが韓国だ。 「200から300ほどの名字に集中している」という。
表4は韓国人の名字トップ10である。
URLリンク(www.nikkei.com)
首位は金で、総人口の21.6%。実に5人に1人が金さんということになる。上位3位は金、李、朴で
総人口の約45%を占める。全体のほぼ半数が、金さんか李さんか朴さんのどれかになる計算だ。
全体として、やはり1文字の名字が圧倒的に多い(南宮、皇甫、諸葛、西門など2文字の名字も
まれにある)。「中国文化の影響がより強かったことに加えて、やはり、日本のように名字を後から
変えることをしなかったためではないか」と森岡さんはみる。
ただ、中国も韓国も日本に比べて少ない名字に限られているので、同姓同名が多くて紛らわし
いなどの悩みも時にはあるらしい。そもそも名字の成り立ちに違いがあるからで、これらもそれぞ
れの伝統や文化だといえそうだ。
編集委員 小林明
ソース:日経<中国・韓国はなぜ1文字? 世界の「名字の謎」>
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