12/09/29 20:53:18.89 heS7W0GP
>>184
大江健三郎の昔の短編小説は、印象的でわかりやすくおもしろかったよ。
彼が政治にのみりこむような作品を書いてからは読んでないけど
性が主題のが多かった。
例えば 露出狂の話。コートの下は真っ裸の男で、
毎日、これを女性の前にさらせば自分の人生は一環の終わりだ。と、
ドキドキしながら恐怖に混じった妄想で日々を送っていて、
真面目に生きていながらも、人生の破滅を夢想してやまない主人公がある日
自分と同じ性癖の男とであって
あるいは 死者の奢り
金のために大学病院の検死の屍体の清掃のバイトをやっていて
同じバイトをしている女子大生がいて、中絶の費用のために
高額のきついバイトをしていて
水槽の中の献体に、自分たちがどう映っているのか?
昔の短編は、日常生活の中で、
自虐や自己否定や自己嫌悪に思い悩む主人公の物語が多かったわ