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「高齢の上、深刻な勃起不全の症状を見せたというと、直接的な証拠が裏づけされない限り、有罪を認め難い」
９日、最高裁３部（主審＝パク・ボヨン大法官）は、青少年性的暴行事件の被告人のソ某被告（７１）の上告審で、
無罪を宣告した原審を確定した。９歳の女の子が１５歳に育つまで数回性的嫌がらせをし、性的暴行をした「破廉恥な老人」
という容疑（性暴力犯罪の処罰および被害者保護などに関する法律と青少年の性保護に関する法律違反の疑い）を脱ぐ瞬間だった。
検察が見た事件の顛末は次のようだ。
０４年当時９歳のソン某さん（１７）は、果樹園を営むソ被告になついた。
ソンさんの両親は１９９６年からソ被告の果樹園で働いていたが、父親は肢体障害４級、母親は精神遅滞２級の障害者だった。
ソ被告は親に代わって優しく接して、ソンさんの機嫌を取った。性的嫌がらせをしたその日も「勉強をさせてあげる」として、
果樹園の隣のコンテナボックスへ呼び出した。ソさんは１３歳にもなっていないソンさんの胸と陰部に触った。
そして、自分の性器を口で愛撫するようにして性的嫌がらせをした。
ソンさんが年を取るほど犯行は果敢になった。ソ被告はソンさんが１５歳だった０９年から１０年まで、３度も性的な暴行をした。
ソンさんは検察の調査で、ソ被告が
「体の上に上がってきて性器を挿入し、２０分ぐらい性的関係を結んだ後、性器が小さくなると、やめた」という趣旨の供述をした。
検察は、「被害者の保護者が身体的に脆弱な点に付きこんで信頼関係を利用して引き続き犯行をしただけに、
また性的な暴行をする危険がある」と主張した。
しかし、一つ見過ごされた部分があった。ソ被告の調子だった。ソ被告は長時間糖尿病を患っていた。
ソ被告は「１５年前から全く勃起が起こらないため、不可能なことだ」と言って、悔しさを吐露した。
一般に、糖尿病患者の４０～５０％は勃起不全があると知られている。
実際、治療記録もあった。ソ被告は１９９５年、病院で糖尿病治療を受け始めた。
１１年１月からはある大学病院で、「シアリス」という勃起誘導剤を使って検査したが、薬も利かなかった。
当時、病院の医者は、「勃起程度を最大４としたら、ソさんは１ぐらいの状態だ。
ひどい勃起不全で膣内挿入は難しい」という診断をした。勃起誘導剤を飲んで超音波診断まで行った結果だった。
ソンさんが最後に性的暴行を受けたと主張した「１０年１月」からわずか１年が過ぎた時点だった。
裁判部が注目したのもこの部分だ。
裁判部は「被告人が（性的な暴行をするほど）極度の性欲を感じ始めてから５分内外の短い時間に
膣内挿入が可能な勃起状態を維持する可能性はない」という原審の判決を確定した。
また、「直接的な証拠は被害者の供述が唯一だが、合理的な疑いを持つ余地がないほど
証明力のある証拠とは思われない」と、無罪判断の事由を説明した。
裁判部はこの他にもソンさん側が強かんされた証拠として提出した「トリコモナス」膣炎診断も
「必ず性的接触ではなくても、下着や便器、タオルによって伝染される可能性もあるため、
１００％性的関係によることと断定できない」と指摘した。
ソンさん家族は１０年、京畿道（キョンギド）へ引っ越した。
この事件はソンさんの父方の叔母がソンさんからＡさんに被害事実を聞いて通報し、捜査が行われたという。
被疑者のソ被告の姉（８１）は、「障害者のソンさん家族を弟が１５年間面倒をみてあげた」とし、
「父親のソンさんが受けた月給や障害支援金は村の里長が管理し、家を建てる時も助けた」と付け加えた。
ソンさんが京畿道（キョンギド）へ引っ越す時、通帳には３０００万ウォンぐらいが貯蓄されていたとも説明した。
AUGUST 10, 2012 07:52
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