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∞記者の目:日本語できない外国人子弟が急増=福井聡
◇政府は受け入れ態勢整備を
国内最大の中華街を抱える横浜市で、中国出身の児童・生徒が急増している。日本政府が、コック
など特殊技能者の就労ビザ規制を緩和した00年ごろからだ。中華街から西に約1キロの市立富士見
中学校(同市中区)は今年度、「外国籍」の生徒と、父か母のどちらかが外国人など「外国につながる」
生徒の割合が計42%に上った。日本語が話せない生徒が多いため学校側は悲鳴を上げる。子供たち
は自分から望んで来日したわけではない。政府が認めて受け入れているのだから、文部科学省は
彼らの来日後の日本語教育もきちんとケアすべきだ。
◇卒業までに習得、20人に1人程度
教室内では中国語が飛び交い、帰宅後も両親は共働きで深夜まで留守。そんな中、アパートで
一人、常時中国とつながっているインターネットに向かい続ける--。市関係者から聞いた、来日
まもない中国人中学生の典型的なイメージだ。現実には、これが2年も3年も続く。
横浜市は市立の小中学校に「外国籍5人で1人、20人以上で2人」の担当教師を置く「国際教室」
を設け、中国語など外国語のできる教師やボランティアが個別指導で補習を行っている。しかし、
日本人の中学生が渡米しても容易に英語ができるようにならないのと同じように、来日した中学生が
1、2年で日本語を習得することは、とても無理だ。「20人いて卒業までに1人が習得できるかどうか」
(市関係者)という状況にある。
横浜市は韓国やフィリピン、南米系住民も多く住む国際都市だ。中心部の中区や南区は、近くに
中華街があることから大半の外国人が中国系。中国人はビザを得ると、まず夫婦で来日し、日本
永住を決意したら子供を呼ぶ。職場は中華街でのコック、食器洗いや配膳、中華食材工場などが
多い。富士見中は学区内に日本有数の日雇い労働者の街とされる寿町地区を抱え、かつては、
その子弟が生徒の大半を占めていたが、近年は寿町全体が高齢化したため、代わって中国系の
生徒が増えた。
彼らは日本のマンガやアニメ、歌が好きで、多くが日本にとどまりたいという。しかし、日本語が
できないため、「日本のことを知りたいが、勉強はあまりしたくない」という子が目立つ。横浜市国
際交流協会(YOKE)の木村博之課長代理は「彼らが日本語を話し日本シンパとなれば、日中
両国にとって大きな財産になる」と語る。
日本政府には、経済産業省に代表される「外国人を国内労働市場に積極的に受け入れるべきだ」
と、厚生労働省に代表される「国内の労働者のことを考えれば、受け入れるべきではない」という相反
する二つの声がある。横浜市の中国人コックらは特殊技能労働者としてインドネシアやフィリピンか
らの看護師らと同様、「積極受け入れ」の声に押される形で入国している。
◇労働力ではなく、人間として扱え
私はかつて働き手を送り出すアフリカと旧植民地から大量の移民を受け入れてきたフランスに駐在
した。アフリカには受け入れ先さえあれば、ほぼ無限ともいえる人たちが渡航を希望する現実がある。
フランスはじめ欧州各国は、かつては寛容に海外の働き手を受け入れた。しかし今や特殊技能者に
制限する傾向にあり、それさえも入国は難しくなってきている。「異文化融和」の理想は美しい。しかし
現実に移動するのは単に「労働力」だけでなく「人とその家族ら」であり、そこに、多くの問題が発生する。
>>2以降に続く
ソース:毎日jp 2012年06月27日 00時19分(最終更新 06月27日 10時54分)
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