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【ニューヨーク＝黒沢潤】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会（安保理１５カ国で構成）は２３日までに、
制裁委を補佐する専門家パネルが北朝鮮の制裁違反の実態についてまとめた２０１２年の年次報告書を公表
することで合意した。公表に反対していた中国が容認した。今月内にも公表される見通し。報告書は中国北東部の
大連が北朝鮮の不正輸出入の「拠点」になっていたと記載している。中国はこれまで「公表は北朝鮮を刺激する」
として拒否してきたが、自国が制裁違反の舞台になっていたことへの批判に抗し切れず、態度を転換したようだ。
パネルは０９年の北朝鮮による２度目の核実験強行を受けて採択された安保理決議１８７４によって設置された。
当時、中国政府がパネル設置に同意したことについては、「関係国が驚いた。北京（中国指導部）がどれだけ設置の
意味を考えゴーサインを出したのか、という声が相次いだほどだ」（国連筋）という。
５月にまとめられた１２年の報告書には、北朝鮮の弾道ミサイルやスカッドミサイル関連の物資が０７年、大連などを
経由し、シリア西部の港町ラタキアに搬送される途中で押収されたケースなどが詳細に記載されている。
報告書の公表には安保理１５カ国の全会一致が必要で、中国は１０年の公表には比較的簡単に同意したが、
１１年、１２年の報告書公表には反対していた。
しかし、他の安保理理事国からは中国の港が積み替え拠点になっていたことへの疑問に加え、「制裁違反の手法は
国際社会に広く知られる必要がある」との意見が出され、中国を批判する声が出ていた。
一方、４月の北朝鮮によるミサイル発射が公表賛成に転じるきっかけとなったとの指摘もある。自制を呼び掛けたの
にもかかわらず北朝鮮が強行したことに中国側は激怒したとされ、「今後中国の意向を無視すれば、何をするにも難しく
なるとのメッセージが（今回の公表同意に）込められている」（国連外交筋）と話し、中国の意向に従わない北朝鮮を
牽制（けんせい）する意味合いもあるとの見方を示している。
■北朝鮮制裁の国連専門家パネル
国連安全保障理事会が北朝鮮に科した制裁が正しく行われているかを調べ、改善を提言する専門家の組織。５常任
理事国と日本、韓国の核不拡散、輸出入管理などの専門家７人で構成。軍事関連物資やぜいたく品の禁輸などに
対する違反を調査し１年単位の任期ごとに報告書を提出、半年時点でも中間報告を出す。（ニューヨーク 共同）
msn産経ニュース: 2012.6.23 21:13
URLﾘﾝｸ(sankei.jp.msn.com)
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