12/06/19 12:34:46.99
>>1の続き
この民間大使外交は、昨年前半は成功していた。大勢の日系企業代表たちに加え、日本メディアの
北京特派員たちも同行した。だが昨年後半あたりから、日系企業の間で、「ビジネスに直結しない」との
声が上がり始め、中国特派員たちも「同行しても記事にならない」ということで行かなくなった。そして
昨年末にはついに、「同行者ゼロ」という事態に陥ってしまった。この時、丹羽大使は「今時の日系企業
は気概がなくなった」と嘆息したという。
このあたりから、北京の日本人たちの間で、「民主党が初の民間中国大使を起用したのは、失敗だっ
たのではないか」という声が上がり始めた。それが今回の石原批判によって、丹羽大使に対する評価は、
一気に高まったのである。
私がこの2年間、北京で見ていて、丹羽大使に一番批判的だったのは、日本から訪問する民主党の
議員たちだった。私は少なくとも5回以上の民主党訪中団の一員から、北京で次のような意見を聞いた。
「大使主催の食事会の席で、丹羽大使はわれわれに説教ばかり垂れていた。こんな大使はどの国を
訪問してもいない。われわれは国民の声を代弁する与党の代表団なのに、何と心得ているのか」
こうした意見は、前原政調会長を始め、与党・民主党内で今回の丹羽発言に対して批判的な声が
続出していることと符号する。つまり民主党議員たちは、北京で会った丹羽大使に対して、決して好
印象は抱いておらず、それが今回の一件によって、一気に爆発したということだ。
■日中国交正常化40周年は形骸化
今回の一件に関して、当の丹羽大使はどう考えているのか。ご本人は黙して語らないが、ある大使
側近に聞いたところ、次のように答えた。
「大使はフィナンシャルタイムズの記事が問題視されてからも、福建省と湖北省を予定通り訪問して
おり、まったく気にしていない。丹羽大使は普段から、『中国大使という仕事は叩かれ役なので、地位
も名誉もいらないという人にしか務まらない』というのが持論だ。今回も、『誰かが言わないといけない
ことを言ったまで』という使命感を持って発言したようだ」
また別の丹羽大使に近い人物は、次のように語った。
「大使は、自分を批判する政治家によりは、むしろ(同様に批判した)米倉経団連会長に怒り心頭のよう
だ。『日本にとって中国は最大の貿易相手国なのに、"財界総理"が日中関係の重要さを分かっていな
いのか』ということらしい」
河村名古屋市長の南京大虐殺否定発言に続き、石原都知事の尖閣購入発言で、日中国交正常化
40周年は、すっかり形骸化してしまった。それでも北京の日本大使館関係者によれば、「日中国交
正常化40周年のイベントは、計370件に上り、低空飛行ながら粛々と進行中」だという。
私が先週北京で食事を共にした日本の与党議員によれば、「丹羽大使は任期丸2年となる7月で交代
となる可能性が高い」との見解を示していた。いずれにせよ何らかの形で、「民間大使の2年間」の総括
がなされるべきだろう。
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