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ソウルからきのう朝、妙な報道が流れてきた。日本政府が慰安婦問題について「3つの解決策」を
提示した、というのだ。野田佳彦首相が韓国の李明博大統領に謝罪するというのだが、何をどう
謝るのだろう。
▼両国政府とも報道を否定したが、火のないところに煙は立たない。昨年暮れ、京都で開かれた
日韓首脳会談で、李大統領は延々と慰安婦問題を持ち出し、賠償請求権に関する政府間協議を
求めた。さすがに野田首相は拒否したが、「知恵を絞りたい」と気を持たせる発言をしてしまった。
▼外交交渉の場で「京の茶漬け」は禁物だ、という話を老練な元外交官から聞いたことがある。
京都人は、客が帰ろうとすると「ちょっとぶぶ(お茶)漬けでも」と社交辞令を言うが、もとより出す
気はない。
▼落語には、浪速っ子が京の茶漬けを食べようと、わざわざ電車に乗って出かけるネタがある。
韓国側は、社交辞令なのを十分承知の上で「そろそろ絞った知恵を見せろ」と揺さぶっているわけ
だ。もちろん、日本側が知恵を絞る必要は毛頭ない。
▼昭和40年の日韓請求権協定で韓国のみならず、日本側も朝鮮半島に残した53億ドル相当
とされる資産すべてを放棄した。同時に日本は、当時の韓国の国家予算に匹敵する3億ドルの
無償資金援助など多額の経済協力をした。
▼「漢江の奇跡」といわれる経済成長も、今や世界的鉄鋼企業となったポスコをはじめ韓国の
有力企業の多くも日本の経済協力なくして今日はない。浪速生まれの大統領なら本当の歴史
を教え、いつまでも過去に縛られてはいけない、と国民を諭すべきだろう。今も盛んな「韓流
ブーム」が一時のあだ花に終わらないよう知恵を絞るのは韓国側だ。
ソース:MSN/産経ニュース
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