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今月19日、ソウル市の複合芸術施設「芸術の殿堂」。オペラハウスとコンサートホール周辺の
野外広場と階段広場には、飲み物や食べ物を販売する大型テント約10店舗が並んでいた。
ドイツビールとチキン・ソーセージ、ワインとサンドイッチ、コーヒーとチョコレート、
韓国伝統の餅などが販売され、まるで大型スーパーかデパートの食品売り場をそのまま
持ち込んだかのようだった。このほか、コンサートホール入り口前に設けられた自動車展示場には、
高級車が展示され、映画『タイタニック』の主題歌が流れていた。
5月に入り、芸術の殿堂がフードフェスティバルの会場としてにぎわっている。28日まで、
日曜日を除く毎日午後8時まで「5月の家族祭り」と題してさまざまなイベントが行われる予定だ。
ある会社員(58)は「ニューヨークやパリでも、劇場のど真ん中に堂々とテントを立てて
1カ月もの間フードフェスティバルを開くだろうか」と話した。もちろん、そんなはずはない。
昨年から、芸術の殿堂は飲食関係の催し物を相次いで開催している。昨年8月には
ビールフェスティバル、10月にはワインフェスティバルが行われ、それぞれ7000万ウォン(約470万円)の
収益を上げた。今年の家族祭りでは、1億ウォン(約680万円)ほどの収益を見込んでいる。
収益事業に力を入れているのは、貧弱な財政基盤のせいでもある。昨年の予算は580億ウォン(約39億円)だったが、
国庫補助金は24.9%の144億ウォン(約10億円)にとどまり、残りの約75%は独力で捻出する
必要があった。そのため、公演の開催という「本業」以外にも、収益を見込める
フードフェスティバルのような「副業」に手を出さざるを得なくなったというわけだ。
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