12/05/13 20:04:16.47
∞「尖閣」秘した琉球切手
∞那覇の男性調査 南小島描く
沖縄の本土復帰直前の1972年4月、当時の琉球政府郵政庁が、切り立った断崖と海鳥が舞う姿を描
いた「琉球切手」を発行した。図柄の場所は記されず、長年の謎だったが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を
研究する国吉真古(まさふる)さん(67)(那覇市)が調べた結果、尖閣諸島と判明。中国、台湾が領有権
を主張し始めた時期だったが、当時の郵券課長は「尖閣諸島の姿を切手に残したかった」と証言したとい
う。復帰40年を機に、切手を保管する石垣市立八重山博物館は、観覧希望者には申請を受けたうえで
公開する。
同庁は、米国統治下で独自に切手を発行。72年3月からは、沖縄の海をテーマにした「海洋シリーズ」
を第3集まで出した。
国吉さんは以前、シリーズが掲載されたカタログを見ていた際、第3集「海鳥と海と島」(72年4月14日
発行)に描かれた断崖が、尖閣の島影と似ていることに気づいた。「領有権問題に配慮して、場所を秘し
て発行したのでは」。関係者に聞き取りを始めた。
切手の原画を担当した琉球大名誉教授・安次富(あしとみ)長昭さん(81)も「モデルは尖閣諸島・南小島
だ」と認めた。
71年、琉球大調査団により、国指定特別天然記念物のアホウドリが尖閣諸島で生息していることを確
認。国内では、伊豆諸島・鳥島(東京都)に続く生息場所と分かり、沖縄中が沸いていた。
安次富さんによると、琉球政府から「アホウドリを描いてほしい」と依頼を受けたが、本物を見たことが
なかったため、政府に保管されていた別の種類のアホウドリの剥製をアトリエに運び込んだ。また、調査
団メンバーの新納(にいろ)義馬琉球大名誉教授から尖閣諸島の情景を聞き取り、岩陰に暮らす鳥の姿
を描いた。
尖閣諸島を巡っては68年、周辺の大陸棚に石油資源が埋蔵されていることが判明し、71年に中台が
公式に領有権を主張。当時の外交文書には、米国が台湾から圧力をかけられたことを示す記載があった。
国吉さんは「現政府の尖閣への対応は期待外れ。当時の職員は領土に対する強い思いがあったはずだ。
多くの人々に認識を深めてほしい」と話す。
国吉さんが事務局長を務める「尖閣諸島文献資料編纂(へんさん)会」は2007年に発行した資料集「尖閣
研究」に秘話を紹介し、会のホームページで切手も公開している。問い合わせは同博物館(※電話番号省略)へ。
(2012年5月11日 読売新聞)
ソース:YOMIURI ONLINE 2012年5月11日
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
画像:琉球政府が発行した切手「海鳥と海と島」。尖閣諸島・南小島の岩棚でアホウドリが戯れている
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)