12/05/12 20:26:01.02
ゴールデンウィークの最中、日本の関越自動車道で起きた大型ツアーバス事故で、バス会社の杜撰(ずさん)な
運行管理などが大きな問題になっている。同じ頃、事故を起こした運転手、河野化山(かざん)容疑者(43)の
祖国である中国でも、多くの死傷者を出す交通事故が続けて起き、中国政府も無視できない状況になっている。
■死者10人以上11件発生
国営新華社通信によると、寧夏(ねいか)回族自治区呉忠市で4月30日、マイクロバスとトラックが衝突し、
18人が死亡、8人が負傷した。事故の発生状況は不明だが、地元警察は事故の主要原因として、マイクロバスの
老朽化と定員超過を挙げている。車検期間を9カ月過ぎ、定員17人のところ23人が乗車していたといい、昨年、
大きな社会問題となった定員超過のスクールバスによる重大事故が、全く“教訓”になっていないことを物語っている。
実は、中国では今年に入ってから、死者10人以上の交通事故が11件発生している。特に4月以降の状況は
甚だしい。
まず4月7日、遼寧省で死者14人、負傷者11人の交通事故が発生。事故の直接原因は、スピードの出し過ぎで
車を制御できなかったことという。
次いで12日には、安徽省宿州市でバスとトラックの衝突事故が起きた。この事故の死者は24人に上った。事故の
原因は一方のバスが対向車線を走行していたこととされている。
その10日後の22日、今度は江蘇省蘇州でもバスとトラックの衝突事故が発生した。この事故では14人が死亡、
20人が重軽傷を負った。警察の調べによると、バスの運転手が疲労のためハンドル操作を誤ったのが事故原因だった
という。
■大事故でも少ない報道
翌23日には河南省でも、過積載のうえ制限速度を超過していたトラックが反対車線を走行し、バスと衝突、バスの
乗客ら13人が命を落とした。負傷者も12人にのぼった。
28日には雲南省臨滄(りんそう)市で中型バスが横転。崖から転落して7人が即死、4人が搬送先の病院で死亡が
確認された。そのほかにも9人が重軽傷を負った。雲南省では25日にも、大型バスが橋から転落し、45人が死傷する
事故が起きたばかり。この事故による死者が9人にとどまったのは、奇跡的ともいえる。
しかし、これらの事故が大きく報道されることは少ない。それでも、状況を重く見た中国政府の安全生産委員会は28日、
「道路交通安全の状況は依然として厳しく、さらに道路交通安全を強化し、重大事故が頻発する勢いを抑制する必要が
ある」との通知を出した。
通知は、交通安全上の「非法」「違法」な行為が突出していると指摘。車両の安全管理や交通安全教育の不足などを
問題点に挙げている。さらに運転手の安全や法の順守に関する意識が薄弱であることが、重大事故頻発の背景とされている。
■悪質運転は日常茶飯事
中国政府は、このような問題のある運転手を「一握り」としているが、それは事実と異なる。事故原因の中では対向車線を
走行したケースが目立つが、中国の場合、「はみ出した」という程度のものではない。前方から車が来ようとも、見通しの悪い
カーブであろうとも、追い越しをかける運転手の多いこと。市街地に目を移しても危険運転の嵐だ。後方を確認せず、いきなり
発進する車には、毎度ヒヤリとさせられる。車線や信号の無視も日常茶飯事。交通法規など学んだことがないのでは? と
疑ってしまう。
中国紙によると、中国の年間の交通事故死者数は昨年、10年連続で世界ワーストを記録した。車の保有台数が1億
400万台を超えた昨年、飲酒運転を厳格に禁止したにもかかわらず、死者は6万2000人に達した。保有台数が7000万台
余りの日本は4611人、保有台数が2億8500万台と中国を上回る米国でも4万2000人。いかに突出しているかが分かる。
「中国国内の交通違反に対する罰則が軽すぎるのが原因」との意見がある。しかし、事故に関する報道ぶりなどを見れば、
人の命に対する意識の低さが根底にあることに気づく。(中国総局 川越一)
msn産経ニュース: 2012.5.12 18:00
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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