12/04/26 00:30:37.88
【世界の街から】ソウル 丸ごと食文化残るか
当地では、鶏はもも肉や胸肉など部位ごとだけではなく、一羽丸ごとでも売られている。胴体に
もち米や朝鮮ニンジンなどを詰めて煮る参鶏湯(サムゲタン)にしたり、オーブンで焼いたりして
食べる。
丸ごと供されるから「まずはコラーゲンたっぷりの手羽を、続いてみっしりとした胸肉部分を」と、
計画を立てて食べられる。自分で決めると、おいしさも引き立つ気がする。
解体する楽しさもある。骨を外しながら食べると、まるで肉食獣になったような高揚感を味わえ
る。鶏一羽の命をいただく、ありがたみも感じる。
すっかり「丸ごと派」だが、先日、伝統的市場ではちょっと戸惑った。食用犬が丸ごと、ショーケ
ースに収まっていたのだ。
犬肉料理は朝鮮半島の食文化だ。記者も誘われたらちゅうちょなく食べる。それでも食用犬の
丸ごとは久しぶりだったから思わず目をそらしてしまった。
一緒にいた五十代の韓国人男性は平然としていたが、最後に食べたのは十年ぐらい前だとい
う。周囲でもペットとして犬を飼う人が増えた分、犬肉料理を食べる機会が減ったと話していた。
鶏が丸ごと売られているのは、料理として人気があるからこそ。犬肉料理の需要が落ちれば、
いつか丸ごとの食用犬はショーケースから姿を消すかもしれない。 (篠ケ瀬祐司)
ソース:中日新聞 2012年4月25日
URLリンク(www.chunichi.co.jp)