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∞明窓 : 「腫れ物」に向き合う覚悟を
4年前の桜は韓国で愛(め)でた。日韓両国政府が主催する記者交流事業の一員として訪韓。投開票当
日の韓国総選挙の臨場感を味わうなど貴重な経験だったが、満開の桜にも気分は晴れなかった。記者とし
ての本分を全うできなかったからだ▼行程には、両国が領有権を主張する竹島(島根県隠岐の島町、韓国
名・独島)を韓国側で所管する慶尚北道の金寛容(キムグァンヨン)知事との面談があった。島根の地元紙
として竹島問題に対する姿勢をただす質問を事前に提示したが、外務省を通じて受けたのは「親善が目的
なので、竹島の質問はしないでほしい」という返答▼その後も折衝し「竹島という言葉は出さず、(竹島問題
で姉妹提携が破棄された)島根県との交流についてのみ質問する」という折衷案の了承を受けたのは面談
の3時間前だった▼最終的に、民間レベルでの交流には前向きな発言を引き出したものの、腫れ物に触る
かのような扱いにもどかしさが募った▼時は移り、先日、満開の桜の下「竹島問題の早期解決を求める東京
集会」があった。島根県外で竹島の公式式典が開かれたのは初。政府関係者が初参加したのは前進だが、
領土問題解決に向けた具体的な対策は示されなかっただけに、増幅した政府への不信感は一掃できまい
▼東京都が沖縄県・尖閣諸島を購入するという奇策を石原慎太郎都知事がぶち上げたのも、領土問題に
無策な政府を揺さぶる狙いがあるのだろう。国家間の友好維持を慮(おもんぱか)るあまりに腫れ物を避け
ていては、解決の糸口は手繰れない。(健)
ソース:山陰中央新報 '12/04/21
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