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∞「2人で押さえ口から毒薬」重慶・英国人殺害
【北京=加藤隆則】薄煕来(ボーシーライ)前重慶市共産党委書記が関与した英国人実業家殺人事件
は、権力のチェック機能を欠いた一党独裁の横暴を余すところなくあぶり出した。
文化大革命を思わせる法治不在の政治がまかり通った「独立王国」・重慶で起きた前代未聞の不祥
事は、党に重い課題を突き付けている。
「毒入りの飲み物を飲ませたが吐き出したため、2人は力ずくで押さえつけ、口から毒薬を流し込んだ」
ある党幹部は、事件が公になった今月10日、小会議室で部下たちにこう語った。薄氏の妻、谷開来
容疑者と薄氏の使用人、張暁軍容疑者が共謀し、2011年11月、同市内のホテルで、薄夫妻と親し
かった英国人実業家ニール・ヘイウッド氏を殺害した事件の経緯説明だ。
携帯の電源は切るよう命じられ、メモを取ることも許されない異例の会議だった。薄氏は2年間に及ぶ
「打黒(暴力団排除)」運動で5700人以上を摘発した実績を誇ったが、会議参加者の一人は「やくざ
以上のやくざだ」と耳を疑った。ミステリー小説の筋書きを読み上げるように、幹部の説明は続いた。
「ヘイウッドが吐き出した物を重慶市公安局副局長の郭維国が回収して保管し、それが今回の決定的
な証拠になった。(米総領事館に逃げ込んだ前同市公安局長の)王立軍は真相解明への協力で功績
を上げたと評価されている」
確かに、王氏が米総領事館に殺人疑惑を漏らし、それを欧米メディアが報じなければ、中国当局が
再捜査に乗り出したかどうかは疑わしい。薄氏の専横ぶりは公然の秘密だったからだ。
(2012年4月19日10時52分 読売新聞)
ソース:YOMIURI ONLINE 2012年4月19日10時52分
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