12/04/15 22:42:16.23
>>1の続き
■一時滞在者と温度差大きく
C 新規定住者でも温度差は大きい。「この制度を永住者にまで適用するのは疑問だ」。こう強調した
東京の大学院留学生(25)がいた。韓国の実情も政治家も分からず、まして、在外同胞に対する公約を
出している政党がないのに、政党を選ぶのは話にならない、と。
A 冷ややかな目があるのも事実だ。そうした見解に反論するのは今回の趣旨ではないが、「祖国が
国力を伸ばしてこそ、自分たちの浮かぶ瀬がある」との心情から、韓国の躍進に貢献してきたのが在日
同胞だ。韓国の政治がよくなって欲しいという願いはどこにも負けない。しかも、国内居住者と違って直接
的な利害から離れているだけに、自ずと中長期的な視点から客観的に判断する傾向が強い。このことは
強調しておく必要がある。
D 総じて、思い入れの強さは年配者に目立ったと思う。投票する際に涙を流す人を何人か見た。でも、
大阪からは30代の3世が匿名を条件に、「投票箱に用紙を投函した瞬間、胸が熱くなった」と語り、目を
潤ませていたという報告もある。投票行為は「半端者じゃない。大韓民国の国民なんだ」という思いの結晶
とも言えるのではないか。
■在日は木よりも森を見る
■「健全な国」へ願い強く…合議で政党選択した家族も
A 韓国の政治事情に通じた在日同胞はそう多くない。しかも、選挙管理委員会から各党の政策につい
ての広報があったわけでもない。同胞たちは1票にどんな願いを託したのか。
B 知識も情報も不足していたのは間違いない。しかし、約9800人のほとんどは自分なりに情報と判断
基準を持っていたと思う。だから投票所まで行った。出口調査をしたわけではないが、各投票所に張り付
いた記者や通信員の報告によれば、どんな理由でどの政党に投票したのか、ほとんどの人が問わず語り
に話してくれている。
C 選択肢が与党と第一野党など主要政党に限られていたことは否定できないとしても、自身の信条に
基づいてきちんと選んだ人は想像以上だったのではないか。「経済的ないっそうの躍進」や「堅固な安保
体制の確立」などを最優先にした人がいれば、「格差是正」や「福祉の拡充」を第一に選択した人もいた。
皆で話し合い、家族で政党を一本化したと明かす人もざらだった。
■韓国の未来に希望を込めて
D 「原発廃棄を掲げる新政党に入れた」人もいたね。青年会地方本部の会長の1人は、「自分の1票が
少しでも、韓国の未来に役立ってもらえたら」と言いながら、「次期大統領に誰がなってもらいたいかを
基準に投票した」と明確だった。
C 「永住者に選挙権は必要なのか」と疑問を投げつけた大学院留学生は、在日を「木を見て森を見な
い」存在とでも考えているのか。在日同胞社会の特性を知らないまま、そうした見方が韓国の若い世代
に一般化しているとすれば、残念と言うほかない。
■在日同胞こそ大所高所から
B 実際は逆なのに、ね。在日同胞は国民の一部に過ぎない自分たちの、特定の利益などより、国と全
民族のことを考えていると思う。植民地支配によって派生した特殊な歴史的背景から、より堂々と生きて
いきたいという切なる願いが根底にある。投票者が1万人以下なので、これが在日全体の意思であるかの
ような大言は吐けないが、在日こそ、国の健全な在り方を求める大所高所の見地から投票に臨む集団だ
よ。このことを改めて確信した。
C 1万人に届かなかったのは確かに、自慢できる数字ではない。だが、全世界で永住者の選挙人は2万
人ちょっとだ。このうち、在日が約1万2000人を占め、しかも、よそと違って4世、5世と代を継いでいる事実
を軽く見るわけにはいかない。選挙人と国外不在者の投票比率は公表されないということだが、在日の投票
率が相対的に高かったのは、永住者の投票意欲の強さの反映と見ていい。
>>3以降に続く