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北朝鮮が人工衛星と主張するミサイルを発射したが、直後に爆発した。北朝鮮も失敗を認めた。
権力を世襲した金正恩労働党第一書記の威信は傷ついた。無理を重ねた軍事優先は必ず行き詰まる。
朝鮮中央通信は「実用衛星を打ち上げたが軌道進入は成功しなかった。原因を究明中」と報じた。
米軍事当局は長距離弾道ミサイル「テポドン2」だとの見解を示した。もし成功していたら大陸間弾道ミサイル(ICBM、射程五千五百キロ以上)の技術を獲得する可能性があった。兵器開発は足踏みしたといえる。
しかし、発射そのものが国連安全保障理事会決議に違反する。安保理は緊急協議を開くが、非難決議など強い姿勢で臨むべきだ。
日本には直接影響はなかったが、政府発表は発射から四十分以上後だった。効果を疑問視する声もある迎撃ミサイルを沖縄本島などに配備したことも含め、安保体制の再検討が必要だ。
核とミサイルの開発は故金正日総書記の遺訓である。金正恩氏の初仕事は大失敗だったが、国防第一委員長に就任した。とにかく権力世襲を完成させ、早く権威を確立したいという焦りがみえる。
懸念材料は新指導部が汚名を返上しようと、今以上に強硬になることだ。日本海側の別の基地から、
次の弾道ミサイルを衛星と主張して発射する可能性が高い。周辺国の圧力が強まれば、「核抑止力を高める」と三度目の核実験を強行する恐れさえある。
国際社会は連携して暴走を抑えたい。金正恩体制の後見人である中国は、強硬路線をとればさらに孤立すると警告すべきだ。
金正恩氏は国の将来をよく考えてほしい。慢性的な食糧不足なのに、国威発揚行事のため労働奉仕に駆り出される国民は衛星失敗を知って、
力が抜けてしまうのではないか。あらゆる部門で生産性が落ち、統制の利かない闇市場が一層広がるだろう。脱北者が増えるかもしれない。課題は次のミサイル準備ではない。食糧と日用品の供給を増やして、民心の安定を図ることだ。
韓国国防省の試算だと、発射には約八億五千万ドル、トウモロコシ二百五十万トンを買える資金が使われた。国連機関が援助を訴える食糧の五年分に相当する。
中国やロシアも含め各国は「北朝鮮はまず民生発展に力を入れるべきだ」と注文する。新指導部は国際社会の要望を真剣に受け止めるよう望む。
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