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新潟日報 4月13日朝刊
「観桜ワールド」韓国・済州島～学生が民族楽器奏でる～
韓国の国民は日本と同じように桜を愛でる。桜は3月下旬から1ヶ月間、南から順に咲き始める。
済州島の多くの人は、桜は古代、済州島から日本へ渡ったと思っている。
日本にもその説があるが定かではない。
私が済州島の桜を尋ねたのは2008年の3月下旬だった。
最初、済州総合競技場、スポーツセンターの施設がある公園を訪れた。
満開の桜の下に菜の花が咲いていた。幼稚園の園児が先生と一緒に遊んでいた。
桜と青空と子供は喜びと希望を与えてくれる。昔見た「二十四の瞳」のワンシーンのようだった。
次に訪れたのは公園から車で15分ほどの典農路の桜並木である。
数千本の桜に日本と同じようにちょうちんがぶら下がっていたが、ちょうちんの意図が国旗の赤と紺色である。
ちょうちんには宣伝の商店名や企業名など一切なかった。
済州大学のキャンパスの桜も見事だった。校庭に数百本の桜が満開だった。
校庭で、学生が民族楽器の練習をしていた。とてものどかな風景だった。
伝統文化を守る学生たちの姿が輝いて見えた。
済州大学周辺の道路に桜の木が何千本と植えてあった。
いまだ若木が多かったが、将来、この辺一帯が桜の新名所になるに違いない。
世界遺産の「三姓穴」の桜もすばらしかった。
日本だけでなく、神社仏閣には桜が良く似合う。
韓国の神社は青緑や幾何学的な模様が使われているのが多いが、神社仏閣には桜がよく似合う。
20年以上前だが韓国の友人と慶州の仏国寺の桜を観た。まるで京都のようだった。
ソウル市内にも桜の名所はたくさんある。
戦後、日本から持ち込まれたソメイヨシノが伐採されたことがあったが、今はそんなわだかまりはない。
桜は友好の死者として日本から近年、たくさん送られている。
（峰村剛・日本語教師、長岡市在住）