12/04/08 14:12:21.08
「日本人が放射能を避け、全羅道に町をつくるんだってよ」
「本当なの? 確認したの? どこから聞いた話?」
「国を奪われるって話なのにそんなことはどうでもいいだろう」
これは、ある中学校で交わされた会話だという。
「デモ天国」韓国の青少年が意見表明方式として、違法なやり方を選ぶケースが増えている
という調査結果が発表された。問題はそれだけではない。子どもも大人も、多くの人が手当たり
次第にうわさを広めていることだ。
もちろん、うわさはどの時代にもあった。例えば「国会議事堂の地下には核兵器が隠されている」
といった話だ。うわさは何人もの口を通じ「地下にテクォンV(アニメに登場するロボット名)が隠され
ている」とか「金塊が隠されている」などと変化する。うわさは少しずつ変化するため、かえって
それが真実だとは信じにくかった。うわさが変化して伝わることが一種の歯止めになっていた。
しかし、最近のうわさはほとんど変化しない。ツイッターがその一因かもしれない。気が合う人
同士でフォローし合い、他人の意見をそのまま他人に伝える「リツイート」機能は、自分が同意する
意見をそのまま広める行為だ。自分が一度リツイートすると、自分をフォローする50人がそれを見て、
彼らが全員リツイートすれば、あっという間に2500人に広まる。過去のうわさは口コミだったが、
リツイートは文字情報を広めるため、うわさよりもはるかに重みがある。そこに有名人が加勢すれば、
もはや手を付けられない。そのまま事実と化してしまう。
多くのフォロワーがいる有名人、文化人は、事実と虚構、想像を混ぜこぜにして話すときに
「~だってねえ」「~だそうです」という文末表現を用いる。つまり「伝え聞いた話」というわけだ。
「証拠はあるの?」といった指摘は目に付かず、それが怒りに任せてリツイートされる。相手に
どんな被害が及んでも、どんな問題が生じても関係ない。「誤解があったようでごめん」の一言
だけだ。手当たり次第にうわさを流す行為は、インターネットに慣れた左派の政治家、文化人、
芸術家などの占有物だったが、今や中道派、保守派も、そして老若男女にも広がっている。
「アップルが労働者を搾取している」という事実を伝えるため、俳優兼ジャーナリストがラジオで
虚偽の証言を行った事件を見れば、韓国も外国も同じかもしれない。しかし、外国は異なる。内容が
虚偽だと知った米国の公共ラジオ局NPRは、徹底した真相調査の末、潔く謝罪した。知識人も
真相把握に乗り出した。結局、問題の俳優兼ジャーナリストも謝罪した。英国ではツイッターで
人種差別的な発言をした大学生が禁錮56日の実刑判決を受けた。同じ陣営内ではうそも大目に
見て、批判に対して張本人が「政治工作だ」と抵抗する韓国とは様子がかなり違う。
女子高に通っていた時代、自習時間があった。「露出狂だ」と誰かが叫ぶと、クラスメートは一斉に
悲鳴を上げた。やがて、冷静に窓の外を見た生徒が「ズボンをはいていたよ」と無表情に言った。
それでも「露出狂」という言葉が出るたびに悲鳴が上がった。「露出狂=裸=悲鳴」という公式を
学習してしまったからだ。事実かどうかを問わず、自分たちが憎む集団に関する話は全て事実だと
信じてしまう社会では、「コートを羽織った露出狂」か単なる「コートを着たおじさん」かは関係ない。
ただ、悲鳴を上げることだけを楽しんでいる。
朴垠柱(パク・ウンジュ)文化部長
ソース 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2012/04/08
URLリンク(www.chosunonline.com)
▲朴垠柱(パク・ウンジュ)
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